Lv41 ゼーレ洞窟へ
[11/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はいえ、オヴェール湿原に近い事もあってか、洞窟内部は結構湿度が高い。おまけに、天井から滴る水滴が首筋に落ちてくる事があるので、その度にドキッとするのである。
そこが少し難点ではあったが、俺達は文句を言わず、黙々と進んで行った。
ちなみにだが、今のところ魔物とは出遭っていない。恐らく、洞窟内部が狭いので、ここに魔物はあまりいないのだろう。多分……。
まぁそれはさておき、暫く進み続けると、俺達の前に、突如、開けた空間が現れた。
幅は今までの10倍以上ありそうな感じだ。
それが奥へと続いているのである。
環境が少し変わった為、俺達はそこで立ち止まった。
と、ここで、ラティが口を開く。
「ここからは広くなるんや。出口までずっとこんな感じやから、もう楽にしてええで」
「出口までは後どのくらいだ?」
「すぐそこやで。そんなにかからん」
「そうか。じゃあ行きますか」
俺の言葉に全員が頷く。
そして俺達は移動を再開した。
すると程なくして、光が射し込む出口が前方に見えてきたのである。
(ラティの言った通りだな。ようやく外に出られそうだ……ン?)
だがしかし……ここで息を飲む事態に、俺達は遭遇するのであった。
【誰だッ、そこにいるのはッ!】
声は出口の方から発せられていた。
この声は確実に、俺達へ向けられたものである。
俺達はそこで歩みを止め、前方の様子を窺う事にした。
するとなんと、洞窟の出口付近に、2体の魔物が立ち塞がっているのを俺の目は捉えたのである。
2体は共に同じ魔物であった。勿論、見覚えのある魔物だ。
全身が濃い緑色の皮膚で、死神を連想させる大鎌を両手で持ち、蝙蝠のような羽を背中から生やした悪魔みたいな姿の魔物である。
そんな容姿の為、一瞬、バルログやサタンパピーかとも思ったが、それとは違う種族であった。
頭部の造形も違う。バルログはツルッ禿げだが、この魔物は鋭利な角が4本生えているのである。
(こいつらは……ドラクエWで、見たことがあるぞ。確か、ベレスとかいう魔物だ……。ベギラマを使う、それなりに強い敵だった気がするが……今はそれよりも、この状況をどうするかだ。何事もなく進めるといいが……)
ラティが俺に囁いた。
「コ、コータロー……どうしよ」
「オドオドするな。構わず進むぞ。俺達の姿がわからないから、ああ言ってるんだ。俺達は今、魔物なんだから、自然に行くぞ」
「お、おう、せやな」
俺はそこで、ラッセルさん達にもその旨を伝えておいた。
そして、ここからは俺が先頭になって移動を再開したのである。
奴等の前に来たところで、1体が口を開いた。
「誰かと思ったら、仲間じゃねぇか。馬鹿な冒険者がノコノコとやって来たのかと思ったぜ。まぁいいや、さぁ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ