Lv40 ヴィザーク・ラヴァナ執政区(i)
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翌日の朝食後、俺はヴァロムさんの指示を実行する為、ウォーレンさんの屋敷を後にした。
屋敷を出た俺はフードを深く被り、顔を隠す。
そして、ラヴァナ・ヴィザーク地区へと向かい、移動を開始したのである。
ちなみにだが、ウォーレンさんには一応、屋敷を出る際に「王都の街をゆっくりと見てみたいので、これからラヴァナに出掛けてきます」と伝えておいた。
ウォーレンさんは、「ミロンは俺の使いで外に出ているから、今はいないんだよ。どうする? 誰か他の者を案内人として付けようか?」と訊いてきたが、今回の指示は誰にも知られてはならない事な為、俺は「適当に見てくるつもりなので、別に案内人はいいですよ。夕刻までには帰りますから」とだけ告げ、屋敷を後にしたのである。
ウォーレンさんもそれで納得していたので、不審に思うなんて事はない筈だ。
それからアーシャさんには、ヴァロムさんから秘密の指示があるので、少し出かけてくるとだけ伝えておいた。
するとアーシャさんは、少し心配そうな表情で「……気を付けてくださいね。あまり御無理をなさらずに」と言って、俺を静かに送り出してくれたのである。
少しゴネるかと思ったが、ヴァロムさんの名前を出したのが効いたのだろう。アーシャさんも流石に察してくれたみたいだ。
とまぁそんなわけで、今の俺はようやく自由に出歩けるようになったのだが、ここで1つ問題が出てくるのである。
それは何かというと、ラヴァナ・ヴィザーク地区は、ウォーレンさんの屋敷から結構離れているという事だ。そう……徒歩で行くような距離ではないのである。
というわけで、今日の移動手段は、馬車タクシーである辻馬車を利用する事にしたのであった。
ラティの話だと、王都ではよく利用されている交通機関なので、大きな通りを歩いていればすぐに停留所が見つかるそうだ。
だがとはいうものの、この辻馬車も1つ問題があるのだ。
それは、アリシュナの辻馬車はラヴァナには行かないという事であった。
その為、俺はとりあえず、ウォーレンさんの屋敷から一番近い城塞南門まではアリシュナの辻馬車で行き、そこからは徒歩で、ラヴァナへと向かったのである。
ちなみにだが、アリシュナの馬車料金は100Gであった。高いと思ったのは言うまでもない。
まぁそれはさておき、魔導騎士が屯する城塞南門を抜けてラヴァナを暫く進むと、前方に辻馬車の停留所が見えてきた。
つーわけで、俺はそこで馬車を探す事にしたのである。
停留所にやって来たところで、俺は周囲を見回した。
空港や駅のタクシー乗り場みたいに、道の端に停めてある数台の馬車が視界に入ってくる。
だが、どの馬車も今は客と交渉中であった。
(空いてる馬車がなさそうだな。少し待たないと駄目か……ン?
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