Lv40 ヴィザーク・ラヴァナ執政区(i)
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専門店・ギルダス』という看板を掲げた建物が、俺の視界に入ってきたのである。
人の出入りも多く、繁盛していそうな大きい店であった。
ちなみにだが、そこに出入りする客の中には、場数を踏んでそうな冒険者や衛兵みたいな格好の者もいたので、もしかすると、品揃えの良い店なのかもしれない。
(へぇ、こんな所にも武器屋があったんだな。暇つぶしに、あの店でも覗いてみるか。ン? ……あれは……)
すると、丁度そこで、見た事ある2人組がその店へと入って行ったのである。
それは、ラッセルさんとマチルダさんであった。
(ゼーレ洞窟に向けての買い出しだろうか? まぁいいや、ここで時間潰すのもアレだし、俺も行ってみるか)――
武器屋の中は沢山の客で賑わっていた。
店内は結構広く、重装備コーナーや軽装備コーナーといった風に、幾つかのブースが設けられていた。
奥には精算するカウンターがあり、そこには、髭を生やし、厳つい顔をしたスキンヘッドのオッサンが、腕を組みながら店内を見回しているところであった。
ちなみにだが、そのオッサンは腕っぷしの強そうなムキムキの体型なので、凄い威圧感を放っていた。このオッサンを見て万引きする奴は、そうそういないに違いない。
まぁそれはさておき、俺はとりあえず、2人の姿を探す事にした。
店内が広い上、結構人も多かったので、探すのに時間がかかりそうであった。が、しかし、予想外にも2人はすぐに見つかったのである。
ラッセルさん達は今、重装備のブースで武器を手に取り、品定めをしているところであった。
(お、いたいた。さて、それじゃあ、挨拶でもしてくるか)
俺は2人に近づき、声を掛けた。
「こんにちわ、ラッセルさんにマチルダさん。一昨日はどうも御馳走様でした」
2人はそこで俺に振り返る。
だがその直後、2人は眉根を寄せ、怪訝な表情になったのである。
マチルダさんが探るように訊いてくる。
「……あの、誰ですか?」
(そういや、フードを被ったままだった)
俺はフードを捲り、もう一度挨拶をした。
「ああ、これじゃあ、わかりませんね。すいません。一昨日はどうもありがとうございました」
「誰かと思ったら、コータローさんじゃないですか!」
「おどかさないでよ、コータローさん……ビックリしたじゃない。ところで、コータローさんもお買い物?」
俺は頭を振る。
「いえ、違いますよ。向こうの広場で休んでいたら、ここに入っていく2人の姿が見えたものですから、来てみただけです。ところで、今日はお買い物ですか?」
「ええ。討伐に向かうには、準備をしっかり整えないといけませんからね」と、ラッセルさん。
「そ、そうっスか」
行く気満々である。
とりあえず、話題を変えよう。
「ラッセルさん達は、この武器
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