Lv40 ヴィザーク・ラヴァナ執政区(i)
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の異端審問決議の採択をめぐる継続審議の日なので、オヴェリウスにいる4名の法務官は今、イシュラナ大神殿にいるんですよ。なので、それが終わるまで少し待っていてもらいたいのです」
(クラウスって人は法務官なのか? ヴァロムさんの指示では、確か、ラヴァナ執政官となっていた気がするが……まぁいい、確認してみよう)
「あのつかぬ事をお訊きしますが、クラウス様は法務官なのですか? 執政官と聞いたのですが」
「ン、もしや王都は初めてですか?」
「はい、ついこの間来たばかりです」
「そうですか。なら、知らないのも無理はありませんな。実はですね、このオヴェリウスでは、3つの階層の執政官が法務官職も兼ねるのですよ。そして、その最高責任者がヴォルケン法院長なんです」
「ああ、そういう事ですか。なるほど……」
俺の知らない制度が、まだまだこの国にはあるようだ。
「ところで、クラウス様がお帰りになる時間帯ってわかりますかね?」
「それは流石にわかりません。ですが、今までの流れからいくと、恐らく、夕刻近くになるのではないでしょうか。いつもそのくらいまで審議をしていると、聞いた事があるものですから」
「夕刻ですか……」
話を聞いた感じだと、かなり時間が掛かりそうだ。
(はぁ……タイミング悪いなぁ。仕方ない……ここで待つのもアレだから、街で時間を潰すとするか)
「じゃあ、出直す事にしましょう。日が沈みかける頃、また顔を出す事にします」
「すいません。お手数かけます」
ルグエンさんはそう言って、申し訳なさそうに頭を下げた。
とまぁそんなわけで、俺は暫くの間、街で時間を潰す事となったのである。
[V]
フードを深く被り、ルグエンさんの事務所を出た俺は、そこで太陽の位置を確認した。
すると、太陽はまだ昇りきっておらず、現代風に言うならば、午前10時頃の陽射しといった感じであった。
昼飯というには、まだ早い時間帯だ。
(さて、どうやって時間を潰すかな。あまり、適当にうろつき回ると、迷子になる可能性があるし……。そういえば、来る途中、広場みたいな所があったな。とりあえず、あそこまで行ってから考えるか)
というわけで、俺は今来た道を戻る事にしたのである。
それから程なくして、広場にやって来た俺は、誰も座ってない石のベンチに腰掛け、少し休むことにした。
見たところ、結構大きな広場で、美しい花を咲かせた花壇や木々等もある為、気分的にも落ち着く静かな所であった。
のんびりとベンチで寛ぐ人々の姿や、地べたに寝転がって日向ぼっこをする猫もいるので、余計にそう感じるのかもしれない。見てるだけで眠くなる光景だ。
(さて……これからどうするかな……夕刻までかなり時間があるし……ン?)
と、そこで、広場の向こうに『武具
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