暁 〜小説投稿サイト〜
Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv40 ヴィザーク・ラヴァナ執政区(i)
[6/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、確か、場所はこの辺てなってたから、多分、ここがそうなんだろう。さて……それじゃあ、行ってみるとするか)
 俺は玄関扉を開いた。
 玄関を潜ると、雑然とした事務所を思わせる空間が広がっていた。
 20畳程度の床面積で、入ってすぐの所に受付カウンターがあり、そこには逆三角形の眼鏡をかけた金髪の若い女性が1人いた。
 ちなみに女性は今、訪問客である俺の方へと視線を向けているところだ。
 歳は20代後半くらいだろうか。眼鏡の形が逆三角形だからか、少し性格がキツそうに見える。
 だが、上に着ているベージュ色のチュニックみたいな服が、それを少し和らげているので、そこまでキツイ雰囲気ではない。キツイというよりも、仕事が出来そうな感じの女性であった。
 その奥に目を向けると、書斎机があり、そこには頭頂部だけが禿た50歳くらいの男がいた。
 男は今、机の上に足を投げ出してイビキをかきながら昼寝をしている最中であり、おまけに服装が草臥(くたび)れているのもあってか、酷くだらしない風貌となっていた。ちなみに服装は、色褪せた灰色のローブ姿である。パッと見は、ねずみ男みたいなオッサンであった。
 机の上に目を移すと、書類などが乱雑に積み上げられており、筆記用具みたいな物が所狭しと散らかっていた。
 そして、男がイビキをかく書斎机の周囲には幾つもの棚があり、そこにも乱雑に積み上げられた書類等が置かれているのだ。
 この男の性格が、モロに分かる光景であった。
 つまり、ほぼ間違いなく……ものぐさ太郎って事である。
(しかしまぁ、えらく散らかった事務所だな。本当にここなんだろうか……。多分、あそこでイビキかいてるオッサンが、ここの主だと思うが……まぁいいや、確認すればわかるか……)
 と、そこで、カウンターの女性が俺に話しかけてきた。
「あの……どちら様でしょうか?」
 女性は明らかに、不審者を見るような目であった。
 多分、俺がフードを深く被って、顔を隠しているからだろう。
 つーわけで、俺はフードを捲りあげ、要件を告げたのである。
「あのぉ……代書人のルグエン・シーバスさんはおられますか?」
 女性は居眠りしている男をチラ見する。
「おりますが……どういったご用件でしょうか?」
「クリーストの件で相談があると伝えてもらえますでしょうか? 多分、こう言えば分かると思います」
 ちなみにだが、クリーストとはヴァロムさんの事だ。
 知っている者にしか分からない、暗号みたいなものである。
「……わかりました。少々お待ちください」
 女性は男の方へと移動し、激しく肩を揺さぶった。
「先生、お客さんよ」
 オッサンは慌てふためきながら目を覚ました。
「おわぁッ!? な、何だ? じ、地震かッ!?」
「違います。お客さんがお見えになってます
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ