Lv40 ヴィザーク・ラヴァナ執政区(i)
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と思いませんでしたか?」
「……おかしいとは思わなかったけど、それがどうかしたの?」と、マチルダさん。
「俺もマチルダと同じです。特に何も思いませんでしたね。コータローさんは納得いかない部分があったのですか?」
どうやら、全く不信に思ってないようだ。
仕方ない。話すとしよう。
「そうですか、お2人は思いませんでしたか……。ですが、あの依頼……冷静になって考えると、おかしなところだらけなんですよ」
「おかしなところだらけ?」とラッセルさん。
「ええ。なぜなら――」
というわけで、俺は少し時間をかけ、2人に疑問点を幾つか話したのである。
話した内容はこんな感じだ。
生還した冒険者は、なぜ、離れた所にあるイシュラナ大神殿に運び込まれたのか?
本当に冒険者はゼーレ洞窟から帰って来たのだろうか?
イシュラナ神殿側は、なぜ、こんなに早く討伐依頼を決断できたのか?
突如降って湧いた幻の財宝の話は本当なのだろうか? etc……。
これらの事を大雑把にだが、俺は2人に告げたのである。
一通り話したところで、俺は2人の意見を聞いてみる事にした。
「――っと、俺は思うんですが、2人はどう思いますかね?」
ラッセルさんとマチルダさんは、何とも言えない微妙な表情を浮かべていた。
「……幾らなんでも、考えすぎなんじゃないですか、コータローさん。まぁ確かに、報酬が高額なので、そう思われるのもわかるのですが、現に魔物も増えてますからね」
「私もそう思うわ。それに、コータローさんの口振りだと、イシュラナ神殿がまるで、何かを企んでいるかのようじゃない。そんな事、幾らなんでもあり得ないわよ」
どうやら2人は、あまり疑問に思わないようだ。
ウォーレンさんも昨日言ってたが、イシュラナ神殿について、悪い方へは中々考えられないのかもしれない。
「ですが、そこまで高額な報酬を払うとなると、普通、ちゃんとした確証を得てからなんじゃないでしょうか。その確認をイシュラナ神殿側がしているのなら問題ないのですが、たった半日程度で、オヴェール湿原にある洞窟へ確認に行くなんて事は至難の業だと思うんです。いや、ハッキリ言って無理だと俺は思うんですよ。だから俺は腑に落ちないんです」
2人は互いに顔を見合わせ、渋い表情になった。
ラッセルさんが訊いてくる。
「コータローさんはどう考えているのですか? あの依頼は罠だとでも?」
「ええ、恐らくは」
「一体何の為に? イシュラナ神殿が冒険者に罠を張っていると言いたいのですか? それは幾らなんでも、話が飛躍しすぎなんじゃ……」
「イシュラナ神殿が黒幕なのかどうかは、俺にもわかりません。もしかすると、魔物と通じる神官がいる可能性もありますからね。ですが、もしそうならば、あの依頼は全く逆の意味
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