Lv39 アリシュナでの密談
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度重なる俺達の集中攻撃を受け、テンタクルスはかなり動きが鈍くなっていた。
出現した時は10本あった触手も、今は辛うじて2本だけが動いているだけであった。もうあと一息といったところである。
しかし、少し気になる事もあるのだ。
それは何かというと、テンタクルスの触手の1つに祝福の杖が巻き付いているからである。
(あの杖のお蔭で少し手間取ったが、もうそろそろコイツも終わりだろう。でも……あの杖、最近どっかで見た気がするんだよな……どこだったっけ……)
などと思っていたその時、前衛3人が剣に炎を纏わせ、攻撃を開始したのである。
そう、ドラクエでお馴染みの特技・火炎斬りというやつだ。
3人の掛け声が聞こえてくる。
「ハァァ!」
「ムン」
「セヤァ!」
炎を帯びた3つの赤い刃は、テンタクルスに容赦なく襲い掛かる。
そして、その直後、ジュウと焼け焦げる音と共に、テンタクルスはゆっくりと動きを止め、奴の巨体はズブズブと湖の下に沈み始めたのであった。
俺はそこで安堵の息を吐いた。
(フゥゥ……これで終わりだな。思ったより時間が掛かってしまったが、危険は回避したから良しとしよう)
ウォーレンさんもホッとした表情で、肩の力を抜いた。
「ようやく倒せたか……。しかし、打たれ強い魔物だったな。初めて見る魔物だが、倒せてよかったよ」
魔導騎士の1人が相槌を打つ。
「ええ、全くです。おまけに、触手の力も凄かったですよ。私も一度だけ、攻撃を受けましたが、一瞬、気を失いかけるほど強力でしたから」
「俺も目の前で見てたから、よくわかるよ。しかし、ラリホーが効きやすい敵だとは思わなかったな。コータローの早い対応のお蔭で助かったぜ。礼を言うぞ」
ウォーレンさんはそう言って、俺に笑顔を向けた。
「別に礼はいいですよ。強そうに見えたんで、早めの対応を心がけただけですから」
「なるほどな。でも……あの状況でよくラリホーを選択できたな。新種の魔物の場合、ラリホーやマヌーサ系は中々効かないから、攻撃魔法を選択する事が多いのに」
嫌な流れになりそうなので、それっぽい事を言っておこう。
「実は以前、コイツとよく似た魔物に遭遇した事があったんですよ。で、そいつが、ラリホーやマヌーサに弱かったもんですから、物は試しにと唱えてみたんです。だから、そう驚くほどの事でもないですよ」
「へぇ、そうだったのか。まぁさっきの戦いぶりを見る限り、コータローはかなり戦闘経験がありそうだから、その辺の勘は冴えているんだろう。あんな戦い方する魔法使い、初めて見たぜ」
「そこまでのモノでもないですよ。さて、それはそうとウォーレンさん。そろそろ移動を再開しましょう。また魔物が来るかもしれませんから」
「ああ、勿論だ」
ウォーレンさ
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