Lv39 アリシュナでの密談
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きな謎ですが……何れにせよ、今のこの状況だと、間違っているのは鍵の解釈だと思いますよ」
(そして……石碑の解釈が正しいならば、必然的に、門を開けた者は本物の聖なる鍵と、デインを行使する者を手に入れているという事になる……か。門を開いたのは敵か味方か……いや、人か、魔物か、と考えた方がいいか。まぁ流れ的に、門を開いたのは後者の方だろう。つまり、魔物の手の中に、『聖なる鍵』と『光迸る雷の力』がある可能性が高いって事だ。はぁ……なんか超面倒な事になってそう……)
と、そこで、ウォーレンさんが残念そうに言葉を発した。
「フゥゥ……実は、俺もそんな気がしてたんだよ。ギルレアンが試していない事だったから、少し期待はしてたんだがなぁ……やはり、この鍵では駄目だったか」
ウォーレンさんはそう言って、鍵をテーブルの上に置いた。
期待してた分、失望も大きいのだろう。
まぁそれはさておき、聞きなれない単語が出てきたので、とりあえず、俺は訊いてみる事にした。
「今、ギルレアンと仰りましたが、何ですかそれ?」
「ギルレアンとは、500年以上前に、魔の神殿の謎を解こうとした宮廷魔導師の名前さ」
「もしかして、ロダス神官が言っていた異端審問に掛けられたという人ですか?」
「ああ、その人だ」
「そうですか……。でも、その人が試してない事だと、どうしてわかったんです? どこかに記録でも残されていたんですか?」
ウォーレンさんはゆっくりと頷いた。
「ああ、ご推察の通りだ。実はな、アムートの月に入った頃、俺が城の書庫で調べ物をしていた時に、偶然、ギルレアンの研究記録を見つけたんだよ」
「へぇ……凄いですね。異端審問に掛けられたという事は、その人の主義主張などが記述された物は、普通、焚書扱いになってそうなもんなのに……。奇跡的に残っていたんですね」
少し偶然過ぎる気もするが、今は置いておこう。
「ああ、全くだ。まぁそういうわけで、偶然見つけたその記録を元に、俺達は色々と考察をして今日は挑んだんだよ。……失敗に終わっちまったがな」
俺は今の話を聞いて、ようやく合点がいった。
「なるほど、そういう事だったんですか。これで納得がいきました。実は俺、ウォーレンさんがあの鍵を箱から取り出してからというもの、今までずっと疑問に思っていたんですよ」
ウォーレンさんは首を傾げる。
「鍵が疑問? どういう意味だ?」
「だって、ウォーレンさんは聖なる鍵を入れる鍵穴を見た事ない筈なのに、偽物とはいえ、その穴に入る大きさの鍵を用意できていたので、それが不思議だったんです。でも今の話を聞いてようやく謎が解けました。要するに、その研究記録には、紋章が浮かび上がる事の他に、そこに現れる鍵穴の大きさや、深さの事まで記述されていたのですね」
「あ、ああ、そのとおりだが……
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