Lv39 アリシュナでの密談
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いて、外は強い風が吹いていたと考えるのが自然だからだ。
扉を開けっぱなしにしていたのは、恐らく、暗い神殿内に外の光を取り入れる為だろう。
さっき俺も中に入ってわかった事だが、朝の日射しならば、いい感じに光が届くので、レミーラや松明がなくても十分に明るくできるからである。
そしてこの事実が、俺がロダス神官に不審を抱くきっかけになった事でもあるのだ。
理由は勿論、厳戒態勢を敷いているにも拘らず、神殿の扉を閉めなかったからだ。
そう……あれだけ厳戒態勢を敷き、入口を開けっ放しにするという行動は、首尾一貫していないのである。
俺がそんな事を考える中、アヴェル王子は質問を続けてきた。
「そうですか……。ところで、ハーディン隊長とのやり取りで、最後に王族の者がいたのかどうかを訊いてましたが、あれはどうしてですか?」
「ああ、それはですね。遺跡で試された事は、8割がた成功しているんじゃないかと思ったからですよ」
「コータローもやはりそう思うか」
「ええ。少なくとも、『4つの祭壇の力が満ちた時』というくだりのところまでは成功していると思うんです。実際、石碑に書かれていたとおり、中央の祭壇にあの紋章が浮かび上がってきましたから。となるとですね、石碑は今のところ、嘘は言ってないということになります。で、それを元に考えるとですね、お2人が試された『聖なる鍵』と『光迸る雷の力』の解釈が間違っているのではないかと思うんですよ」
「なるほどな……ちなみにコータローは、何が間違っていると思う? やはり聖なる鍵の部分か? それとも両方か?」
「4つの力の解釈が合っていたとするならば、間違っているのは『聖なる鍵』の解釈となるでしょうね。まぁそれもあったので、私は王族の方が一団にいたのかどうかを訊いてみたんですよ。解釈が合っているのならば、浄界の門を開くには、デインが必要となりますからね」
「だからあの質問をされたのですか。まぁ確かに、石碑は今のところ嘘は言ってない気がします。しかし……そうなると、大きな疑問が浮かび上がってくるんですよ」
アヴェル王子はそう言って眉間に皺をよせ、難しい表情を浮かべた。
多分、アノ事だろう。
「それは……なぜ、魔の神殿がデインを扱う者の力を必要とするのか? って事ですかね」
アヴェル王子は頷く。
「ええ……。私達が小さい頃から教えられてきたミュトラの存在は、邪悪な魔の神とされてますからね。なので、それがわからないのです。それに、そもそもデインは、イシュマリアの血族としての証であります。イシュマリアはイシュラナの御子ですから、当然、ミュトラとは対極の存在なのです。ですから、今の解釈が正しいと仮定すると、あの神殿がイシュマリアの力を必要としている理由が、さっぱりわからないのですよ」
「まぁ確かに、そこは大
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