Lv39 アリシュナでの密談
[7/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ル王子は俺に座るよう促してきた。
「コータローさん、好きな所に掛けてください。私は王子ではありますが、今はお忍びです。格式ばった礼節は必要ありませんから」
「じゃあ、お言葉に甘えまして」
俺はそう言って、ソファーの1つに腰を下ろした。
続いて、他の3人もソファーに腰を下ろす。
というわけで、ここから密談が始まるのである。
まず第一声はアヴェル王子からであった。
「使用人達には用事を与え、一時的に屋敷から出てもらいました。ですから、今此処にいるのは我々だけという事になります。これならば大丈夫でしょう。さて、それではコータローさん、先程の続きを聞かせてもらってもいいでしょうか?」
「わかりました。お話ししましょう。ではまず、なぜそう思ったのかという事ですが……その前に……皆さんは祭壇のある部屋に来た時、ロダス神官が言っていた内容を覚えてますでしょうか?」
「ロダス神官が言っていた内容ですか……それは部屋の中に入ってすぐにあった、ウォーレンとのやり取りの事ですか?」
「ええ、そのやり取りです」
「あの時の内容といっても、そんなに大した話はしてないぞ。あの神官は、失敗するだろうからやめておけと言っていただけの気がするが」
「ええ、確かにそうなのですが、私が問題視しているのはそこの事ではなく、その後の言葉なんですよ」
「後の言葉?」
3人は首を傾げる。
気づいてないようなので、話を進めることにした。
「あの時、ロダス神官はこんな事を言っていたんです。『その石碑に書かれている浄界の門とやらが上がるかどうかは、やってみなければわかりませんからね』とね」
「それがどうかしたのか?」
「門が上がる……門が上がる……なんか気持ち悪い言い方じゃないですか? 普通、門は開くと表現するんじゃないですかね。ウォーレンさんが石碑の内容を解読した際も、『門が開かれる』となってましたし」
「そういえばそんな事を言っていたな……まぁ確かに語呂の悪い言い方だが、それの何がおかしいんだ?」
ウォーレンさんはそこまで疑問に感じないようだ。
仕方ない。答えを言おう。
「実はですね、その言葉を聞いてからというもの、私はこう考えてたんですよ。『おや? この人、何で門が上がると思ったのだろう』とね……。そう考えるとですね、導き出される可能性は2つしかないんですよ。1つは間違えてそう言ってしまった可能性。もう1つは門が上がる事を前から知っていたという可能性です」
【アッ!】
ようやく3人は気付いたようだ。
「まぁそんなわけでですね、それがずっと引っ掛かっていたもんですから、俺はどこかに物が上がった形跡はないかと調べてみたんです。そしたら……あったんですよ。上がった形跡が」
ウォーレンさんが前のめりになって訊いてくる。
「なんだと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ