Lv39 アリシュナでの密談
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う。
(しかしこの王子……こんな変装までして外をうろついてる事を考えると、かなり裏でコソコソとしてるに違いない。一体、何考えてんだか……。そういえば、マチルダさんだったか……やる気が無くて、フラフラしてるとか言ってたのは……。だがまぁ、この人の場合、やる気がないというよりも、この人なりに国を思っての行動な気がするから、そこまでいい加減な人ではないだろう。多分……)
ふとそんな事を考えていると、ウォーレンさんの声が聞こえてきた。
「ではコータロー、とりあえず馬車に乗ってくれるか? 続きは次の所で聞かせてもらうとしよう」
「わかりました」
とまぁそんなわけで、俺達は場所を変える事となったのである。
[V]
アリシュナへと戻ってきた俺達は、護衛の兵士達と別れた後、やや西の地域にある真っ白な四角い屋敷の前へとやってきた。
馬車の車窓から、俺はその屋敷を眺める。
屋敷は3階建てのローマ建築風の建物で、外観は白く美しかったが、周囲にある建物と比べると、それほど大きくはなかった。見た感じだと、40坪程度だろうか。
だが立派な庭をしており、そこには、美しい水を湛える丸い池や噴水に加え、綺麗に剪定された木々や、馬にまたがる白い騎士の石像といったモノが、非常に見映えよく配置されているのだ。
それはまさに、貴族の庭園といった感じの光景であった。
(良いなぁ、こういうの……建物はそんなに大きくはないけど、こんな綺麗な庭を眺めて過ごすのなら悪くない。でも、ここは一体、誰の屋敷なんだろ……)
つーわけで、俺は訊いてみた。
「ウォーレンさん、ここは誰の屋敷なのですか?」
「ン、ここか? ここはヴァリアス将軍の旧家だ。今は別邸となっている所さ」
「別邸……という事は、ここに将軍の御家族は住んでおられないのですね」
「ああ。ヴァリアス将軍の御家族は今、上のヴァルハイムに住んでいるからな。ここには屋敷を維持管理する使用人が僅かにいるだけだ。一応、自由に使えばいいと言われているんで、俺達は時々、使わせてもらっているんだよ」
「へぇ、そうなんですか」
昔、アリシュナに住んでいたという事は、出世したからヴァルハイムに引っ越したのかもしれない。
多分、将軍職は世襲じゃないんだろう……。
などと考えていると、そこで馬車は止まった。
「さて、それじゃあ、着いたようだから門を開けてくる。少し待っていてくれ」――
その後、俺はアヴェル王子とウォーレンさんに案内され、屋敷内のとある一室へと通された。
ちなみにそこは、立派なテーブルとソファーが置かれた広い部屋であった。
美術品などが飾られているところを見ると、多分、応接間として使っていた部屋なのだろう。
まぁそれはさておき、部屋の中に入ったところで、アヴェ
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