Lv39 アリシュナでの密談
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れたのは、どうやら俺達だけのようだ。
もしかすると俺達は狙われたのかもしれない。確証はないが……。
まぁそれはさておき、ウォーレンさんはそこでアヴェル王子に話しかけた。
「さて、ではハルミア殿……これからどうしますかな。もう少し、あの遺跡について調べてみましょうか?」
「しかし、調べると言ってもだな……もうアレには、これ以上の事は記述されていない。その上、我々が用意した鍵でも駄目となるとな……どこから手をつければよいやら」
「ですが、このまま放っておくわけにもいきますまい。半年に及ぶ調査の結果、異変の中心があの島なのは、もはや疑いようのない事実ですからな」
「それはわかるが……」
アヴェル王子は溜息を吐き、肩を落とした。
かなり落胆の色が窺える仕草である。
イシュラナ神殿側に不快な思いをさせてまで挑んだ実験が失敗に終わったのだから、こうなるのも無理はない。
(だがまぁ、俺は自分のやれることはやったし、もういいだろう。結果はどうあれ……依頼は達成だ。ン?)
などと考えていると、アヴェル王子はそこで俺に視線を向けた。
「ところでコータローさん……帰り際、ハーディン隊長に妙な事を色々と訊いてましたが、もしかして、遺跡の謎がわかったのですか?」
「いや、流石に、遺跡の謎はわかりませんでした。ですが、それ以外に、幾つかわかった事もありましたよ」
「ほぅ……で、どんな事がわかったんだ、コータロー」と、ウォーレンさん。
俺はとりあえず、兵士達に聞こえないよう小さな声で、自分の見解を告げる事にした。
「では重要なところだけ2つ言いましょう。まず1つ目ですが、ロダス神官は初めてあの遺跡に来たと言ってましたが……違いますね。彼はあの遺跡に以前、来た事があると思いますよ」
アヴェル王子が眉根を寄せて訊いてくる。
「え……どういう事ですか?」
「どうもこうも、その言葉通りです。それともう1つ。ここが重要なんですが……浄界の門は何者かによって、既に開かれてる可能性がありますね。それを裏付けるような痕跡もありましたし」
と、その直後、3人は大きく目を開き、俺に詰め寄ってきたのである。
「何だってッ!?」
「えぇッ!?」
「そ、それは本当かッ! なぜそう思うんだ?」
「今ここで、その理由を話してもいいのですが……ここじゃ色々と都合が悪いんじゃないですか?」
俺はそう言うと、兵士達をチラ見した。
「た、確かに、そうだな……ここじゃあまり大っぴらに話すのは不味い」
「この際だ、ウォーレン。アノ場所へ、コータローさんも一緒に来てもらうのはどうだろう? アノ場所なら、そうそう人目につく事もあるまい」
「そうですな……確かに、あそこならゆっくりと話せそうです」
名前を言わずに話しているところを見ると、秘密の場所なのだろ
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