Lv39 アリシュナでの密談
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を早く断ち切りたい俺は、爽やかに笑いながら話題を変えてみる事にした。
「ははは、そんな大層なもんじゃないですよ。おや……向こう岸が薄らと見えてきましたね。ようやく、地面に足をつけられそうです」
だが、アヴェル王子はしぶとかった。
「いいえ、とんでもない。……先程の戦いを見ましたが、あれはその辺の冒険者が出来る戦い方じゃありませんよ。高い魔力と武芸を兼ね備えた我が国最精鋭の騎士・パラディンでも、あそこまで魔力制御できる者はどれだけいるか……。それに、魔法の扱いに秀でた第1級宮廷魔導師でも、あそこまで魔力を自在に制御できるのは、そうはいません。オルドラン家の現当主ディオン様やその御子息、そしてアルバレス家の才女シャール様のような、一握りの者だけだと思います。ですから、私はさっき、凄く驚いたのですよ」
「そ、そうっスカ」
う〜ん……何か知らんが、とりあえず、俺はまた余計な事をしてしまったのかもしれない。
この反応を見る限り、ヴァロムさんによる鬼修行の成果の程は、凄かったという事なのだろう。しかし、今はそれが仇となっているみたいだ。痛し痒しである。
(はぁ……どう答えりゃいいんだよ)
と、ここで、ウォーレンさんが俺達の会話にログインしてきた。
「今のところ、魔物の気配はないようだな。どうやら付近にいたのは、あの3体だけだったのだろう。ところでコータロー、さっきの光の剣みたいなのは、何なんだ? あんな武器初めて見たぞ」
ナイスタイミングで話題を変えてくれたので、某奇妙な冒険漫画に出てきたギャンブラーの如く、俺は脳内で呟いたのであった。
(グッド!)
まぁそれはさておき、俺は魔光の剣を手に取り、ウォーレンさんに見せた。
「ああ、コレの事ですか。これは魔光の剣と言いまして、魔力を刃に変換する魔導器です。魔法使い専用の武器といったところでしょうか」
「ほう……ちょっと見せてもらってもいいか?」
「どうぞ。使い方は簡単で、柄を握って魔力を籠めるだけです」
ウォーレンさんは魔光の剣を手に取ると、魔力を籠め、光刃を出現させた。
「へぇ、なるほどな……」
「その剣は使用者の魔力圧と、籠める魔力量で威力が変わるんです。なので、扱いが難しいんですが、条件が揃えば、一撃必殺の威力を持っているので、俺は重宝しているんですよ。魔法が封じられても、これがあれば対処できますからね」
「どこで手に入れたんだ?」
「マルディラントの1等区域にある武器屋です。ですが、その剣はマルディラントにいる魔導器製作家が作った試作品なんですよ。しかも、あまり評判が良くなかったそうですから、正式には売りだされてないかもしれませんね」
「そうなのか? だが、あの魔物を一撃で仕留めたところを見ると、中々、良い武器だと思うがな」
「しかしその分、魔力の消費も半端じ
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