Lv39 アリシュナでの密談
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、あの石碑に書かれている事を試す事にしたのさ」
「そういう事があったのですか……。だからあの遺跡に拘っていたのですね」
「ああ、それが理由だ。まぁかなり大変な調査だったがな」
この口ぶりを見る限り、相当広範囲に渡って綿密に調査をしたのだろう。
(なるほど……新種の魔物が出現する区域の中心が、あの島だったのか……。それなら、あの遺跡が怪しいと考えるのは当然だろう。となると、ここで考えられるのは、ラーのオッサンがフィンドで言っていた『精霊王リュビストが施した浄化の結界』の話だが……ここで確認するわけにもいかないから、今は記憶に留めておくだけにしよう)
俺はそこで、ギルレアンの研究記録について訊いてみる事にした。
「ところで、そのギルレアンという方の研究記録には、他にどんな事が書かれていたのですか?」
「まぁ色々と書かれてはいたが、遺跡に関しては、あんなもんだ」
「そうですか……ちなみに、ギルレアンという方は、聖なる鍵について、どういう風に考えていたのですかね?」
「ギルレアンの研究記録には、こう記されていた。『聖なる鍵とは、恐らく、古の魔法錬成技法によって創られし鍵・アブルカーン。アブルカーンなくば、門は開けぬであろう』とな」
また新しい単語が出てきた。
「アブルカーンですか……」
「ああ、アブルカーンだ」
「なるほど。ところで……アブルカーンって、なんですか?」
【……】
すると次の瞬間、シーンとこの場は静まり返ったのである。
遠くで鳴く小鳥の囀りも聞こえるくらいに……。
暫しの沈黙の後、ウォーレンさんが口を開いた。
「ハァ!? 何言ってんだ、お前……からかってるんじゃないだろうな」
「いいえ、真面目に訊いてます」
「ア、アブルカーンとは、古代魔法王国カーペディオンの遺物として知られる魔法の鍵の事ですよ。我が国にもその昔、あったと云われております。まぁここでは一般的に、カーンの鍵とも言いますがね。というか、知らないのですか?」と、アヴェル王子。
俺はコクリと頷いた。
「ええ、全く」
古代魔法王国のくだりから察するに、多分、俺が所有しているカーンの鍵の事で間違いないだろう。
つまり、俺は今、かなりデリケートな話題をしているという事である。
(要するに……ウォーレンさん達はバジャルという人に、カーンの鍵モドキを作ってもらっていたという事か。なるほど……だが、アヴェル王子とウォーレンさんには悪いが、鍵に関してこれ以上の協力は難しいな。俺も役目というのがある。とりあえず、余計な事は言わないでおこう)
と、ここで、ミロン君は探るように訊いてきた。
「コータローさん……本当に知らないんですか? 貴方ほどの魔法の使い手が、アブルカーンの事を知らないって変ですよ。本当はからかってるんじゃないんで
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