Lv39 アリシュナでの密談
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お前って、本当に細かいところまでよく見てるな。そんな事まで気にしてるとは思わなかったぞ」
ウォーレンさんはそう言って、驚いた表情を浮かべた。
「凄いですね……コータローさんて本当に凄い洞察力してます。こんなに深く物事を見れる人、私は初めて見ました」と、ミロン君。
「まぁ性分みたいなもんだよ」
「しかし、ウォーレン……隠居生活を送るバジャル殿に無理を言って作ってもらったが、その鍵は無駄になってしまったな。バジャル殿には悪い事をしてしまった」
「致し方ないでしょう。私も、そう簡単にはいかない気がしてましたし。それに、バジャル殿自身が、上手くいく保証はないと言ってましたのでな」
「バジャル殿?」
ウォーレンさんが答えてくれた。
「その昔、イシュマリア城で魔法錬成技師をしておられた方だ。今は隠居して、オヴェール湿原を越えたところにある、ラズリット荒野におられるがな」
ラズリット荒野……確か、ピュレナとオヴェール湿原の間に広がる荒野の名前だ。
「ン? という事は、3日前、俺達とオヴェール湿原で出会った時は、そこから帰る途中だったのですか?」
「ああ、そうだ。まぁその時は、コータロー達とこんな風になるとは想像もしてなかったがな」
「俺もですよ」
同感であった。
ベルナ峡谷でヴァロムさんに拾われ、今はこの国の王子と話をしているのだから、人の縁というものはよくわからないものである。
とはいえ、今はこんな話をしていても仕方ない。
それに、俺も他にしなきゃならない事があるので、今日は終わりかどうかを確認する事にした。
「ところで、これからどうされるのですか? もう今日は終わりですかね?」
するとアヴェル王子とウォーレンさんは顔を見合わせ、少し肩を落としたのである。
アヴェル王子はボソリと呟いた。
「これからか……どうするといいのだろうな。あの神殿が怪しいのは、魔物の勢力調査で間違いないと思うのだが、如何せん、その先に進む為の手がないんではな……」
「魔物の勢力調査?」
「そういえば、コータローには言ってなかったか……。まぁついでだ、話しておこう。そのかわり他言無用だぞ」
「わかりました」
俺が頷いたところで、ウォーレンさんは話し始めた。
「我々はヴァリアス将軍の命令で、半年もの間、新種の魔物の出現地域を調査していたんだが、調べてゆくうちに、ある事実が判明したんだよ」
「ある事実?」
「ああ。それはな、あのアウルガム湖を中心にして、弧を描くように、新種の魔物達は出現しているという事がわかったのさ。しかも強い魔物ほど、アウルガム湖よりでな。だから俺達は、その湖の更に中心に位置するあの遺跡に目を付けたんだよ。そしてつい最近になって、今度は湖の生き物がいなくなるという怪現象まで現れたもんだから、俺達はイチかバチか
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