Lv39 アリシュナでの密談
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んはそこで魔導騎士達に言った。
「戦闘が終わってすぐで悪いが、動かしてもらえるだろうか。それとできたら、少し速度を上げて頼む」
「ええ、勿論そのつもりです」
魔導騎士2人は先程よりも幾分力を籠め、オールを漕ぎはじめた。
舟は静かに動き始める。
と、そこで、テンタクルスがいた所に、白い杖がプカリと浮かび上がってきたのである。
(ン? あれは……祝福の杖だ。とりあえず、回収しておくか)
俺は魔導の手を使って、祝福の杖を回収し、暫しそれを眺めた。
(外観はアーシャさんのと同じ物だな。至って普通の杖といったところか。でも、つい最近、これをどこかで見た気がするんだよな……どこでだったか……アッ!?)
そこで俺は思い出した。
ついさっきまで一緒にいた人物が、祝福の杖を持っていた事を……。
(そういえば、ロダス神官も祝福の杖を持っていたが……まさか、な。とはいえ、その可能性もあると考えておいた方がいいだろう。魔物達は、人間に化けれる手段を持っているし……。だが仮に、もしそうだったならば、ここから先、イシュラナの神官達は要注意だな。それに、さっきの事もある……油断はしないに越したことはない……)
などと考えていると、そこでハルミアさん、もといアヴェル王子が俺に話しかけてきた。
「その杖がどうかしたのですか?」
「いや、戦利品としてもらっとこうかなと思いましてね」
「そうですか。……ところで、つかぬ事を訊きますが、コータローさんはアレサンドラ家に仕えておいでなのですか?」
妙な質問してきたな。
こんな事を訊いてくるという事は、多分、アーシャさんの件を知ってるのだろう。
「いや、仕えておりませんが……」
するとアヴェル王子は、少し驚いた表情を浮かべたのである。
「え、そうなのですか? ウォーレンから、ソレス殿下のご息女を王都まで護衛してきたと事前に聞いていたものですから、てっきり、アレサンドラ家に仕えているのかと思ってました。そうですか……仕えておられないのですか……」
アヴェル王子の表情は、どこか釈然としないモノであった。
まぁこうなるのも無理はないのかもしれない。
さて、なんて言っておこうか……。
とりあえず、ヴァロムさんの事には触れないように注意しながら、それとなく話すとしよう。
「アーシャ様を王都まで護衛したのは、兄であるティレス様から冒険者として依頼されたからなんです。なので、そんな大した理由ではないですよ」
「え? コータローさんは冒険者なのですか?」
「はい。実はそうなんです」
俺はそこで、首に掛けたドッグタグを見せた。
「そうだったのですか。しかし、ソレス殿下のご子息であるティレス殿から直々に依頼されるという事は、コータローさんは相当に腕が立つ冒険者なのですね」
この流れ
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