Lv38 魔の神殿(i)
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境界門の先は若干の上り坂となっていたが、相も変わらず、砂利道の両脇には雑木林が広がっていた為、山道を歩いているかのような気分であった。
俺達はそんな林の中を無言で進んで行く。
すると程なくして、異様な様相をした古びた建造物が、前方に見えてくるようになったのである。
形状が少し変わっており、丸いドーム状の屋根に、古代ローマの神殿を組み合わせたような外観の建造物であった。
大きさは日本武道館くらいだろうか。かなり大きな建造物である。
以前、イタリア・ローマの観光雑誌を見た事があったが、それに出てきたパンテオンと呼ばれる建造物と、少し似ているように俺は感じた。が、俺はパンテオンの実物を見た事がないので、あくまでも、そんな気がしただけである。
また、建造されてからかなりの年月が経過しているのか、壁や柱は色褪せており、至るところに苔や蔓などが絡みついていた。その為、建物が森の一部と化しているようにも見えるのだ。
とりあえず、そんな感じの建造物なのだが……異様な様相としているのはソレではない。
建造物の周りに張り巡らされたとあるモノが、見る者にそう感じさせるのである。
そのあるモノとは何かというと、建造物を囲うように張り巡らされた、高さ5mはあろうかという巨大な鉄格子の柵であった。
そう……まるで牢獄のような柵に、その建造物は囲われているのだ。
(しかし、ま、なんつーか……建物が罪人みたいな感じだな。この柵は王家か、もしくはイシュラナ神殿側が作らせたのだろうと思うけど……ここまでやるかって感じだ)
ふとそんな事を考えていると、ウォーレンさんの声が聞こえてきた。
「ロダス神官、見えてきました。あれが魔神・ミュトラを祭ってあるという古代の遺跡、魔の神殿です」
「ほう、あれが……」
思った通り、あれが古代遺跡のようだ。
というわけで、俺達はその建造物に向かい、歩を進めるのである。
道を真っ直ぐに進んで行くと、柵に設けられた鉄格子の扉が見えてきた。
またそれと共に、門番のように扉の前で立ち塞がる2人の神官の姿も視界に入ってきたのだ。
神官は2人とも男で、白い神官服の上から鉄の胸当てや、剣にモーニングスターといった武器を装備をしていた。これを見る限り、どうやら武闘派の神官のようである。
また、その鉄格子の扉の近くには、守衛所と思われる石造りの四角い建物があり、そこには3名の武装した神官達が屯しているのであった。
建物の大きさは公園とかでよく見かけるトイレ程度のモノなので、そんなに大きくはない。
ここから察するに、それ程多くの神官は、この入口付近に配置されてないのだろう。
俺達が扉の前に来たところで、神官達は恭しく頭を下げ、挨拶をしてきた。
「お勤めご苦労様でご
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