Lv38 魔の神殿(i)
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けで、特に目を引く物はなかった。
その為、周囲の調査は程々にしておき、俺は壁の方を調べる事にしたのである。
俺はそこで、壁と床の境目に目を向ける。
すると、壁際に押し寄せる沢山の落ち葉が俺の視界に入ってきた。
この様子からして、風に吹き付けられたのは容易に想像がつく光景であった。
以前、誰かがここに来た時、相当強い風がこの室内に入ってきたんだろう。
(落ち葉だらけでごちゃごちゃしてるが、とりあえず、払いながら調べてみるか。さっきのあの言葉が本当なら、何かそれらしき痕跡があるかもしれない……)
俺は四つん這いになりながら落ち葉を払い、紋章が描かれた壁と床の境目を念入りに調べた。
すると程なくして、あるモノが俺の目に飛び込んできたのである。
それは、壁と床の境目から3cmほどはみ出た、黄色い落ち葉であった。
(お、これは……もしかするとビンゴか)
と、そこで、ミロン君が俺の隣にやって来た。
「コータローさん、さっきからずっとそこにいますけど、何か見つかったんですか?」
「ン? いや、ただ、落ち葉が一杯散らばってるなぁと思ってさ」
「ですよね。僕もさっきからそう思ってました」
「ところでミロン君、これってどう思う?」
俺はそこで、はみ出た落ち葉を指さした。
「この落ち葉が、どうかしたんですか?」
どうやら何も思わないようだ。
「じゃあ、その落ち葉を引っ張ってみてくれるかい」
「え? これを引っ張るんですか?」
「ああ」
「では……」
ミロン君は首を傾げつつ、落ち葉の先端を摘まむと引っ張る。
すると当然、落ち葉は千切れてしまった。
「千切れてしまいましたね。完全に挟まっているみたいです」
「そのようだね。で、どう思う?」
「え……どういう意味ですか?」
もしかすると、鈍い子なのかもしれない。
(まだ気づいてないようだ。まぁいいや。今はとりあえず、流しておこう。さて、それじゃ調査を再開するかな。と、その前に……)
俺はそこで、黄色い落ち葉を1枚懐に仕舞い、調査を続けることにした。
「いや、なに、珍しいなと思ってさ。ただそれだけだよ。さて、他も少し調べるとするか」
「ええ」――
[W]
魔の神殿の中に入ってから2時間後、俺達は大した発見もできなかった為、遺跡を後にする事となった。
ウォーレンさんはもう少し調査をしたかったみたいだが、太陽の位置が変わった事で、レミーラが必要なくらいフロアも暗くなってきた為、出直しという決断をウォーレンさんは下したのであった。
まぁそんなわけで俺達はもう帰るだけなのだが、先程の鉄格子の柵を潜ったところでロダス神官は立ち止まり、俺達に先に行くよう促してきたのである。
「さて、皆さん、ここでお別れです。私はエイブ
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