Lv38 魔の神殿(i)
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子、始めましょうか」
「ああ」
そして2人は、中央の祭壇へと向かったのである。
ウォーレンさんとアヴェル王子は、祭壇の前で一旦立ち止まると、少し上にある祭壇の中央部分に視線を向けた。
俺もそこに目を向ける。
すると、見覚えのある紋章が、視界に入ってきたのである。
(ン? あれは……正面の壁と同じやつか)
そう……祭壇の中央には、正面の壁にある雪の結晶みたいな紋章と同じモノが浮かび上がっていたのだ。
しかも、まるで何かを待つかのように、紋章は白い光を携え、ゆっくりと点滅していたのである。
それだけじゃない。その紋章の中心には、前方後円墳を思わせる鍵穴のようなモノまであるのだ。
(あれが、ミュトラの紋章とかいうやつなのだろうか? まぁ流れ的にそんな感じがするが、それにしても……真ん中の穴は、モロに鍵穴って感じの穴だな……)
と、ここで、アヴェル王子の声が聞こえてきた。
「あの紋章がそうみたいですね……」
「ええ、恐らくは。さて、それでは鍵を挿してみましょう」
ウォーレンさんはそう言って、紋章の中心にある穴に先程の鍵を挿しこんだ。
「さぁ準備は出来ました。後はお願いします、アヴェル王子」
「では、少し下がってくれ」
「ハッ」
ウォーレンさんは後ろに下がる。
そこでアヴェル王子は右手を紋章の前にかざし、呪文を唱えたのであった。
【デイン!】
その刹那、アヴェル王子の右手から電撃が迸る。
祭壇に浮かび上がった紋章は、電撃を浴び、一瞬、眩く光り輝いた。
だがその直後……なんと、雪の結晶のような紋章は、フッと祭壇から消えてしまったのである。
そして、挿してあった鍵は祭壇からはじき出され、床に落下したのであった。
それだけじゃない。今まで俺達が籠めた柱の光も、それと同時に消えてしまったのだ。
辺りにシーンとした静寂が漂う。
(あらら……失敗かな、こりゃ)
と、ここで、困惑するウォーレンさんの声が聞こえてきた。
「どうしたんだ、一体……なぜ消えた?」
「ウォーレン、これはもしや失敗という事だろうか?」
「わかりません。ですが、まだ結論を出すには早いです。とりあえず、少し周囲を調べてみましょう。何か変化があるかもしれません」
「だな。少し見てみよう」
「では、コータローとミロンも手を貸してくれ」
とまぁそんなわけで、俺達は暫しの間、この部屋の中を調べる事になったのである。
ウォーレンさん達は何か変わった所がないかと、フロアの隅々を調べはじめた。
そして俺はというと、さっきから紋章が描かれた正面の壁が気になっていたので、そこを調べる事にしたのである。
壁の前に来た俺は中腰になり、周囲の床に目を向けた。
しかし、床には枯葉や黄化した葉っぱが散乱しているだ
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