Lv38 魔の神殿(i)
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俺達に中へ入るよう促した。
「さぁ中へどうぞ」
「では……」
そして俺達は、魔の神殿の中へ、恐る恐る足を踏み入れたのであった。
銀の扉の向こうには、幅5mほどの石畳の通路が真っ直ぐ伸びていた。
通路の壁に目を向けると、レンガのように幾重にも積み上げられた石の壁が視界に入ってくる。
その影響か、ここは少しヒンヤリとした冷気が漂う通路となっていた。が、しかし、それは先程までならと付け加えなければならないだろう。
なぜならば、今は入口から、外の光が良い角度で射し込んでくるので、そこまで寒さは感じないからである。
しかも、そのお蔭もあって、かなり見通しが良い通路となっているのだ。これは嬉しい誤算であった。
そんな見通しの良い暖かな通路を、俺はウォーレンさん達の後に続いて進んで行く。
だが少し進んだところで、俺は奇妙な引っ掛かりを覚えた為、思わず立ち止まったのであった。
俺は背後を振り返り、開かれた遺跡の入口と、その向こうに小さく見える鉄格子の扉へと視線を向けた。
(これはまさか……もしかすると……いや、まだわからない。もう少し様子を見てから判断しよう。とりあえず、モノの見方を変える必要がありそうだ)
と、そこで、ミロン君の声が聞こえてきた。
「どうしたんですか、コータローさん? 外に何かいたんですか?」
「ン? ああ、いや……なんでもない。とりあえず、先に進もうか」――
通路を20mほど進んだ先には、大きな四角いフロアが広がっていた。
数値で表すならば、横20mに奥行きが20m、それから高さが10mといったところだろうか。かなり広い空間である。
また、見回したところ、窓という物は見当たらなかった。
周囲の壁にあるのは、魔物との戦いを描いたであろう彫刻壁画だけで、それ以外は何もない。
俺達が入ってきた所だけが、唯一、外部と繋がれる接点であった。
早い話が、ここは行き止まりの部屋なのである。
以上の事から、少し閉鎖的なフロアなのだが、ここはそんな事など霞むくらいに、もっと目を引くモノがあるのだ。
それは何かというと、このフロアの中央にはチェスのポーンを思わせる大きな白いオブジェが1つあり、またそこから少し離れた位置には、トーテムポールを思わせる奇妙な紋様が彫りこまれた4つの灰色の柱が、オブジェを交差するように対角に立っているのである。
しかも、それぞれが人の背丈の3倍くらいありそうな大きさなので、一際目を引く存在なのだ。
おまけにそれらは、磨き抜かれたかのように色艶も良く、今は入口から射し込む日光が反射して眩い輝きを放っていた。その為、この空間は今、照明など無くても隅々まで見渡せるくらいに光が行き渡っているのであった。
(これだけ明るいと、レミーラとか松明は必要ないな。助
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