Lv38 魔の神殿(i)
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出来ないな……空でも飛ばない限り、もう1体の間合いに近づきそうもない。一度に始末できる何かいい方法はないだろうか。早くしないと、テンタクルスが目を覚ましてしまう……。せめてあのホークマンのいる辺りまで飛べたら……ハッ!?)
と、その時、俺の脳裏にある策が閃いたのであった。
(そうか、これなら上手くかもしれない。先手必勝だ。ぶっつけ本番になるが、やる価値はアリだ)
ここでウォーレンさんの声が聞こえてきた。
「クッ、仕方ない。ハルミア殿、奴等への対応もお願いできるだろうか?」
俺はそれを制止した。
「待ってください、ウォーレンさん。この舟の狭い足場では、あまり長い戦いは不利です。早く終わらせる為にも、あの2体は俺が何とかしますから、ハルミアさんには引き続き、あの魔物の対処をお願いしてもらえますか?」
「なんとかするって、お前……一体どうするつもりだ。空にいるのはかなり強い魔物だぞ。俺も奴等と戦った事があるからわかる」
「それはわかっております。まぁここは俺を信じて下さい。それと、俺が眠らせた魔物はラリホーに弱いと思いますから、目を覚ましそうになったら、すぐにラリホーで眠らせた方がいいですよ」
「ああ、それはわかったが……」
「じゃあ、そういうわけで」
ウォーレンさんやミロン君は半信半疑という感じだったが、俺は構わずホークマンへと視線を向け、閃いた策を実行する事にしたのである。
俺は間合いに入っているホークマンに目を向ける。
見た感じだと、俺の斜め上空20m程の位置にホークマンはいた。
俺はソイツに向かい、魔導の手を伸ばす。
そして、見えない手でホークマンを掴んだ俺は、そこで魔力を少し籠め、ホークマンを引っ張ったのである。
【グぇ、何だこの力は】
ホークマンは驚きの声を上げると共に、それに抗おうと羽をばたつかせた。
しかし、それが俺の狙いであった。奴に抗ってもらう事で、俺は飛ぶつもりだからである。
俺はそこで魔導の手に強く魔力を籠め、一気に空へと上昇した。
【グワァァ、見えない力に引っ張られるぅぅ】
するとホークマンは、取り乱したように慌てながら、更に激しく羽をばたつかせた。
その為、俺の接近にまったくと言っていいほど気が付いていなかった。
好機と見た俺は、奴に手が届きそうなほど近づいたところで魔光の剣を発動させ、そのまま勢いを殺さずに、奴の胴体を一刀両断したのである。
【グギャァァァ!】
奴の断末魔の声が空に響き渡る。
だがこれで終わりではない。
20m上空に滞空しているこの状態ならば、やや斜め上空にいる、もう1体のホークマンも間合いに入るからである。
俺は少し体をねじりながら左手に魔力を向かわせ、呪文を唱えた。
【メラミ!】
その刹那、左手から大きな火球が放た
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