Lv38 魔の神殿(i)
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が、なぜか胸騒ぎがするんですよ」
理由はないのだが、なんとなく嫌な予感がするのである。
言うならば、ゲームとかでよくある、戦闘不可避イヴェントのお約束な雰囲気といったところだろうか。
とにかく、そういった嫌な感じのモノが、俺の中に渦巻いているのである。
(はぁ……足場が広く使える大きな船ならともかく、こんな小さい舟じゃ戦闘なんてまともに出来そうにない。何もなければいいが……)
などと思っていたその時であった。
―― ザッパーン ――
俺達の行く手を阻むかのように、突然、前方に水柱が立ち昇ったのである。
続いて水飛沫が俺達に降りかかると共に、舟が転覆しそうになるほど、湖面が大きく波打ったのだ。
「な、何だ一体!?」
「なぜ、水柱が……」
立ち昇った水柱は重力に従い、落ちてくる。
そして次の瞬間、なんと水柱の中から、大きさにして10mはある巨大な緑色のイカが姿を現したのであった。
それはもう、化け物と形容して問題ない程の大きさであった。
巨大イカは俺達の方へと接近してくる。
「なんだこの巨大な化け物は!?」
「魔物がなぜ、ここにッ!」
「そんな馬鹿な! 魔物はこの辺りにいない筈だッ」
「また新種の魔物か!」
「あわわ、ま、魔物が……ウォーレン様!」
この突然の事態に、皆、かなり慌てていた。
どうやら、ウォーレンさん達の知らない魔物のようである。
だが俺には見覚えがある魔物であった。
(コ、コイツはまさか、テンタクルスかッ! つーか、何で湖なのにイカがいるんだよ! コイツとこんな所で遭遇するとは……糞ッ)
疑問は尽きないが、見たところ、現れたのはこの1体だけのようだ。
しかし、まだ増える可能性がある為、俺は今、凄く焦っていたのである。
(チッ、不味い……この限られた狭い足場では、まともに戦うのは難しい。しかも、ゲームだとコイツの攻撃力とHPはかなりのもんだった気がする。今のところ1体だけみたいだが、こんな化け物が、沢山現れたら流石に不味いッ。何かいい方法はないだろうか……。ザラキが使えれば、それほど悩む必要もないが、俺はザラキを使えない。おまけに、ヴァロムさんから習った現存する魔法の名前に、ザラキなんて出てこなかった。だから恐らく、ウォーレンさん達も使えないに違いない。クッ、何かいい方法は……)
俺は短い時間で、コイツに効果がありそうな魔法を必死に思い返した。
するとそこで2つの魔法が脳裏に過ぎったのである。
(確か、コイツには……ラリホーとマヌーサがある程度利いた筈だ。今はこの2つからチョイスするしかないか……。力押しで倒すというのも1つの手かもしれないが、これはゲームではない。現実だ。こんな狭い舟の上じゃ、最悪、全滅の可能性だってある。ここは、より安全な方法を
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