Lv38 魔の神殿(i)
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ラ管理官の代理としてやってきましたので、こちらで仕事をしないといけませんのでね」
ウォーレンさんは深く頭を下げた。
「今日は本当にありがとうございました、ロダス神官。それとアヴェル王子の件ですが……騙すような事をして申し訳ありませんでした。反省しております」
と、そこで、ロダス神官はアヴェル王子に視線を向ける。
ちなみにだが、今のアヴェル王子はハルミアへと戻っていた。なので、髭ボーボーの顔である。
「過ぎた事を言っても仕方ありません。ですが、アヴェル王子の事は猊下に報告させてもらいますので、そのおつもりでいてください。それでは、道中お気をつけて」
「はい。では私達は、これにて」――
程なくして境界門へとやって来た俺達は、その付近にある石造りの建物へと立ち寄る事となった。
そこは魔の島に駐在する魔導騎士達の詰所で、来た理由は、帰りの舟を漕いでもらう交渉をする為である。
詰所は、コンビニを少し大きくした程度の平屋の建物で、室内には中年の魔導騎士が奥に1人いるだけであった。
騎士は今、立派な書斎机に着いて仕事をしている最中のようで、この居ずまいから察するに、ここの責任者なのだろう。
ちなみにその騎士は、白く長い髪をうなじで結った浅黒い肌の男であった。
体格も大きく、筋骨隆々といった感じであり、相当に鍛え上げられているのは容易に見て取れる。
おまけに、根性の座ってそうな眼つきをしているので、かなり強そうに見える騎士であった。
漢字で表すならば、豪傑の二文字がピッタリの男だ。
まぁそれはさておき、ウォーレンさんはその男の前へ行き、徐に話しかけた。
「ハーディン隊長、お仕事中に失礼する」
「ン? ウォーレンか。どうした?」
「我々の用事は済んだので、帰りの舟を出してもらってもよいだろうか?」
「終わったか。じゃあ、外に行こうか」
ハーディンと呼ばれた魔導騎士はそこで立ち上がり、外へ出た。
俺達も彼に続く。
外に出たところで、ハーディンという騎士は、詰所の近くにいる2人の騎士を呼んだ。
「おい、お前達。ウォーレン殿がお帰りだ。お送りしろッ」
「ハッ」
呼ばれた2人の若い魔導騎士は、キビキビとした動作で此方にやって来た。
良く見ると、来る時に漕いでくれた騎士であった。
この扱いを見るに、ここでは下っ端なのだろう。
「さて、それではハーディン隊長、我々はこれで帰らせてもらいます。今日はありがとうございました」
「礼はいい、ウォーレン。大した事もしてないしな。それよりも、気を付けて帰ってくれよ。最近、魔物も活発になっているそうだしな」
「お気遣いありがとうございます。では、我々はこれで」
だが、俺は少し確かめたい事があったので、それを制止した。
「あ、ちょっと待
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