Lv38 魔の神殿(i)
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ざいます、ウォーレン様にロダス様。エイブラ管理官より、報告は受けております」
ロダス神官が一歩前に出る。
「貴方がたも、ご苦労様です。さてそれでは、鍵を開けようと思いますので、少し下がって頂けますかね」
「ハッ」
神官達は扉の脇へと下がる。
と、そこで、あるモノが俺の目に飛び込んできたのである。
それは何かというと、扉の合わせ目に取り付けられた、丸く大きな銀色のプレートであった。
大きさは直径1m程で、中心にはでかでかとイシュラナの紋章が彫られていた。
しかも奇妙な事に、イシュラナの紋章の中心には、何かを納めるかのような丸い窪みがあるのだ。
(なんだ、あの丸い窪みは? いかにも何かありそうな感じだが……ン?)
ふとそんな事を考えていると、ロダス神官はそこで扉へと移動する。
そして、プレートの窪みにゴルフボール大の白い球体を納め、呪文のような言葉を唱え始めたのである。
【……レクーテ・イーラ……ヒヨ・ウーハ……カウツ】
すると次の瞬間、白い球体が光り輝くと共に、丸いプレートはカチャリという音をたて、横へとスライドしたのであった。
(へぇ、なるほど……魔法の鍵ならぬ、魔法の錠前ってとこだな。芸が細かい)
扉が解錠されたところで、ロダス神官は左右の扉を押して開き、俺達に中へ入るよう促してきた。
「さぁ、それでは中へとお進みください、ウォーレン殿とお供の方々」
「ありがとうございます。では」
ウォーレンさんを先頭に、俺達は柵の向こうへと足を踏み入れる。
俺達全員が柵を潜り終えたところで、鉄格子の扉は神官達によって閉じられた。
その瞬間、牢の中に放り込まれたかのような、嫌な気分になったのは言うまでもない。
(目の前の遺跡よりも、この柵の方が嫌だよ、俺は……)
と、ここで、ウォーレンさんの声が聞こえてきた。
「それでは、ロダス神官、入口はあそこになりますので、私に付いて来てください」
「ええ、では参りましょう」
そして俺達は、古代遺跡の入口へと向かい、移動を開始したのである。
[U]
鉄格子の柵を抜け、パンテオンのような丸柱が立ち並ぶ魔の神殿へとやって来た俺達は、とりあえず、入口の手前で立ち止まる事となった。
理由は勿論、重厚な銀の扉によって入口が塞がれていたからである。
扉は両開きで、幅5m以上はある大きな物であった。
建物の古さと比べると、比較的新しい扉なので、恐らく、後世になってから取り付けられたモノなのだろう。
ちなみにだが、この扉にも、イシュラナの紋章が描かれた先程の丸いプレートが施されていた。
その為、ここでまた、ロダス神官の解錠作業が始まる事になるのである。
ロダス神官は先程と同じような手順で解錠すると、左右の扉を全開にし、
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