Lv37 魔の島(i)
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翌朝、少し早めに朝食を食べた後、俺はウォーレンさんに連れられて、まず、アリシュナの兵士詰所へと向かう事になった。
移動はウォーレンさんが所有する馬車で、御者はミロン君だ。
ちなみにだが、俺達が使っていたショボイ馬車とは違い、結構高級感のあるブルジョワな馬車であった。なので、乗心地も格別なのは言うまでもない。
まぁそれはさておき、兵士詰所に向かった理由だが、ウォーレンさんの話によると、合流する兵士と、とある人物がいるとの事であった。
そんなわけで、俺達はその後、詰所で護衛の兵士数名の他に、イエスキリストみたいな髭を生やした赤く長い髪の男性騎士と合流し、目的の地であるアウルガム湖へと向かう事となったのである。
暖かい朝の日差しが降り注ぐ中、馬車は兵士詰所からゆっくりと動き始めた。
パカパカという馬の蹄鉄音と共に、細かな振動が伝わってくる。
そんな馬車に揺られながら、俺は車窓の向こうに見える外の街並みを暫しぼんやりと眺めた。
窓の向こうには、アリシュナの綺麗な街並みと共に、身なりの良い住民達のノンビリとした姿があった。それはまさに、穏やかな朝の一時といった光景であった。
マイペースに動く住民達を見ていると、時間の流れが緩やかになったかのような錯覚を覚える。
(平和だねぇ……。外に強力な魔物がいる事を忘れてしまいそうな光景だ……ふわぁぁ)
などと考えつつ、俺は欠伸をした。
と、そこで、ウォーレンさんが俺に話しかけてきた。
「眠そうなところ悪いが、今日はよろしく頼むぞ、コータロー」
「でも、あまり期待はしないでくださいよ。俺も出来る事と出来ない事がありますから。なので、今日は出来る範囲内で頑張らせてもらいます」
「ああ、それでいい。俺もそこまで無茶な要求をするつもりはないからな。まぁそれはともかくだ。しかし……今朝はビックリしたぜ。俺がお前の寝室に行ったら、アーシャ様とラミリアンの子に加えて、ラティまでが一緒に寝ていたんだからな」
ウォーレンさんはからかうように、ニヤニヤとした笑みを浮かべた。
そう……実は今朝、少し早い出発だった為、ウォーレンさんが俺を起こしにやって来たのだ。
その時、俺が2人プラス1匹と寝ているところをモロに見られてしまったのである。
ちなみにだが、俺とアーシャさんとサナちゃん達は、ウォーレンさんの配慮により、個室を宛がってもらっている。
そんなわけで、本来なら俺は1人で寝れるのだが、ここ最近の流れもあり、彼女達と一緒に寝るハメになっているのであった。嬉しいやら悲しいやらである。おまけにラティまでいるし。
まぁそれはさておき、誤解されるのもアレなので、一応、弁明はしとこう。
「あの、言っときますけど、俺はやましい事はしてませんよ。ただ、彼女達
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