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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv37 魔の島(i)
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こまでの経緯がですね、俺にはどうも腑に落ちないんですよ」
「経緯? ミロンの話では確か、生きて帰ってきた冒険者の1人が、魔物の親玉を見たとかなんとか言ってたが、それの事か?」
「いや、まぁ……それも気にはなるのですが、俺が今引っ掛かっているのは、なぜイシュラナ神殿側は、こんなにも早く討伐依頼を決断できたのかって事なんです」
「討伐依頼の決断? どういう意味だ?」
「3日前の晩……洞窟から帰ってきた冒険者はイシュラナ神殿で治療を受けたらしいのですが、そこで冒険者は、魔物の親玉の事を神官達に語ったそうです。ですが、その翌日の晩にはもう、イシュラナ神殿側は、ルイーダの酒場に討伐依頼を出しているんですよ。しかも、かなりの高額依頼で、です。討伐に参加したパーティ1組につき、10000ゴールドの報酬で、尚且つ、討伐した暁には追加で10000ゴールドの報酬ですからね。おまけに、何組ものパーティが討伐に参加可能らしいですし……。ちょっとおかしいと思いませんか?」
 するとウォーレンさんは、アメリカ人がよくやる、お手上げジェスチャーをした。
「おいおい……報酬、10000ゴールドかよ。第1級宮廷魔導師の2か月分の給金くらいあるじゃないか。しかも、討伐に成功したら更に10000ゴールドって事は、合計で20000ゴールドって事だろ。破格の報酬だな。その上、何組ものパーティが参加出来るんなら、場合によっては、イシュラナ神殿側の支払いは凄い額になるぞ。確かに、ちょっとおかしな報酬だな。俺も参加したくなってきたじゃないか」
 どうやらこの様子だと、ミロン君は報酬の事を言ってなかったようだ。
 多分、簡単な報告だけをしたのだろう。
 まぁいいや、話を進めよう。
「いや、まぁ報酬の額もそうなんですが……それよりもですね、帰ってきた冒険者1人の言葉を信じて、これだけの出費が伴う依頼を1日で決断するのは、少々……いや、だいぶ勇み足な気がするんですよ」
「勇み足?」
 俺は頷くと続ける。
「冒険者が帰ってきたのが、3日前の晩……そして、ルイーダの酒場に依頼が出されたのは2日前の晩……つまり、冒険者の証言の裏付けをとる時間がですね、たった1日しか……いえ、魔物が旺盛を極める夜に調査する事は考えにくいので、実質、半日程度しかないんですよ。そう考えますとですね、王都から半日近くかかるオヴェール湿原に行って、冒険者の話の裏付けをとるのは至難の業だと俺は思うんです。実際問題、その親玉がいるとされるゼーレ洞窟という所は、何組ものパーティが消息を絶っている、いわくつきの洞窟ですからね。なので、その辺が俺にはどうも納得ができないんですよ。ウォーレンさんはどう思いますかね?」
 ウォーレンさんは俺の話を聞き、暫し黙り込んだ。
 腕を組んで視線を落としているので、多分、何かを考えている
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