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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv37 魔の島(i)
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ある。それは、魔物達が焦っているという事だ。
 ではなぜ、魔物達は焦っているのか……そう仮定して考えると、ある事が見えてくるようになる。
 それは勿論、神殿の中に封印されていたモノが何なのか、魔物達は知っていたという事に他ならない。
 そう……ラーの鏡の存在である。これが魔物達にとって、かなり都合が悪いに違いないのだ。
 実際、ラーの鏡の能力は、人々を惑わす魔物にとって脅威である。
 そう考えると、魔物達が急いで何かを成し遂げようとするのも、理解できる話なのである。
 とはいえ、これはあくまでも俺の想像なので、本当のところはどうなのかわからない。が、しかし……そう考えると、全ての辻褄が合う気がするのも、また事実なのである。
 そこで俺は考える。
 ヴァロムさんは一体何をするつもりなのだろうか。そして、俺に何をさせるつもりなのだろうか、と……。
 しかし、幾ら考えたところで、今はまだヴァロムさんの思惑が見えてこない。が、1つだけわかった事もあるのだ。
 それは……十中八九、ヴァロムさんは既に、真相を見破っているという事である。でなければ、ここまで細かい指示を出す事は出来ないからだ。
 どんな真相なのかはわからないが、とりあえず、今の段階でハッキリしてるのは、ここまで面倒な指示をしないといけないほど、事態は複雑化しているという事である。
 恐らく、俺が考える以上に、ややこしい事態になっているのだろう。
 
(ヴァロムさんは手紙で、王都で大きな波紋を起こすとか書いてたけど、一体何をするつもりなんだか……)
 ふとそんな事を考えていると、ウォーレンさんの声が聞こえてきた。
「まぁ何れにせよ、だ。上手くいくかどうかはともかく、今日、コイツを使って試す事で、何かがわかるかもしれない」
 ウォーレンさんはそこで、小さな木箱を懐から取り出した。
「何ですか、それは?」
「今はまだ言えん。まぁとりあえず、着いてからのお楽しみってやつだな」
 大事そうに持っているので、恐らく、今回の実験の要になる何かなのだろう。
「そうですか。じゃあ、楽しみにしときます。ところでウォーレンさん、話は変わるんですけど……実は昨日ですね、アーウェン商業区に行った際、オヴェール湿原でウォーレンさんと俺が治療した、あの冒険者達と出会ったんですよ」
「らしいな。ミロンから昨日聞いたよ。しかも、ゼーレ洞窟に棲みついた魔物の討伐隊に誘われたんだってな」
 ミロン君から簡単な報告は受けているようだ。
 なら、話は早い。ウォーレンさんの意見を訊いてみるか。
「ええ、そうなんですよ。まぁ断ろうとは思っているんですがね。でも……その魔物討伐の件で、少し気になる事があるんです……」
「気になる事? 何だ一体?」
「魔物討伐の依頼主はイシュラナ神殿らしいのですが、そ
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