Lv36 邂逅の酒場・ルイーダ
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ってください」
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」
シーマさんとマチルダさんが椅子に腰かけたところで、ラッセルさんは2人に話しかけた。
「今日の夕方だったな、フェリクスやバネッサ達の葬儀は……」
するとシーマさんは少し涙ぐみ、絞り出すように言葉を紡いだ。
「ええ……。実は私達、馬車の中に置きっぱなしになっていたフェリクスの形見の剣を、さっき家族に返してきところなの。彼の愛用してた剣だったから……埋葬される前に返さなきゃと思って……」
「そうか。で、エレンは今どうしてる?」
「私達が行った時、彼の棺の前で泣き崩れていたわ」
「……無理もない。最愛の恋人に旅立たれたのだからな。今はそっとしておこう」
「ええ」
ラッセルさん達の悲しい話を俺達は黙って聞いているだけであった。
しんみりとした重い空気になっているのは言うまでもない。
だが、冗談を言って和ます空気でもないので、ここはもう黙っているしかないのである。
「ところで、ラッセルは動いて大丈夫なの? 昨日は結構酷い怪我してたけど」と、マチルダさん。
「ああ、それは大丈夫だ。コータローさん達のお蔭で、今はこの通りさ」
ラッセルさんはそう言って、ガッツポーズをした。
「よかった。じゃあ、リタの方はどう?」
「妹も体調は戻ってきたみたいだが、バネッサがあんな事になったからな……今はどちらにしろ休養が必要だ」
「リタはバネッサを姉のように慕っていたから辛いでしょうね……」
マチルダさんはそう言って溜息を吐いた。
「ああ」
どうやらラッセルさんには妹がいるようだ。
もしかすると、あの時、隣で倒れていた女戦士の事かもしれない。
というわけで俺は訊いてみた。
「妹さんというのは、俺が治療した時、隣にいた方ですか?」
「ええ、そうです」
思った通りだ。
気が強そうな顔ではあったが、中々に綺麗な女性だったのを覚えている。つまり、美男美女の兄妹ということだ。羨ましい限りである。
ラッセルさんは続ける。
「コータローさんの治療もあって、怪我の方は大丈夫だと思うんですが、あの時、大切な友人を失くしてしまいましてね……。それで、リタは精神的に参ってしまっているんです。なので、今しばらくは、そっとしておこうと思ってます」
「そうですか。……心の傷を癒すには時間が必要ですからね。お大事になさってください」
「お気遣いありがとうございます」
と、ここで、ラティが話に入ってきた。
「ごめん、話は変わるんやけど、ラッセルはん達のパーティ階級って、なんぼなん?」
「俺達のパーティは第2級だ。まぁ所謂、金の階級というやつだな」
「ほえ〜金の階級なんか。凄いなぁ。ベテランやんか」
そういえば、王都に来るまでの道中、冒険者にも階級があるとアーシャさ
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