Lv36 邂逅の酒場・ルイーダ
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ましたよ。コータローさんは状況を的確に判断できる男だって」と、ミロン君。
「は? なんで? そんな風に思われるような事したっけか」
意味が分からん。
「昨日、ラッセルさん達の治療を終えた後に、また魔物がやって来たじゃないですか。あの時、コータローさんは魔物達の移動する速さを見て、瞬時に逃げる選択をされたからですよ」
「そんなに驚く事か? あれはどうみても俺達が不利だったからだよ」
「でもウォーレン様はあの時、戦うか逃げるか、少し迷ったらしいんです。一度追い返している上に、新たな戦力として、コータローさん達もいたので」
「いや、俺達がいても犠牲者が増えただけだよ。例え、勝てたとしてもね。大体、ベギラマを使う魔物があんなに沢山いたんじゃ、回復が追いつかない。それにウォーレンさんも言ってたじゃないか、ミロン君の魔力が尽きた上に、薬草も尽きたと。つまり、あの状況下での回復手段は限られていたわけだから、逃げられるのなら、逃げた方がいいんだよ」
「ええ、その通りです。ウォーレン様もコータローさんの忠告を聞いて、それに気付かされたと言ってました。だからですよ」
ラティはニカッと俺に微笑んだ。
「へへ、第1級宮廷魔導師にそないな事言われるなんて、やるやんか、コータロー」
「褒めても何も出んぞ」
「下心なんてないって。ワイの素直な気持ちや」
俺達がそんなやり取りをしていると、ラッセルさんは肩を落とし、悲しげな表情になったのである。
「……俺もあの時、コータローさんのようにしっかりとした判断を下す事が出来れば……。そう思うと、悔やんでも悔やみきれない。そうすれば、仲間をあんなに惨い死に方させずに済んだかもしれないんだ……何で俺は……うぅぅ」
と、その直後、俺達のテーブルだけがシーンと静まり返ったのである。
ミロン君とラティも少し表情を落としていた。
明らかに、余計な事を言ってしまったという表情である。
(流石にこの空気は重いな。話題を変えた方が良さそうだ。何の話をしよう……ン? お、グッドタイミング!)
丁度そこで、こちらに向かって料理を運ぶ2人の給仕が見えた為、俺はこれ幸いと皆に伝えたのであった。
「どうやら、料理が来たようだね」
ラティとミロン君も同じ思いだったのか、俺に続く。
「アッ、ホ、ホンマや。美味そうな料理が来たでぇ。ええニオイがしてきたわぁ。楽しみやわぁ」
「ほ、本当だ。美味しそうですね」
給仕達は俺達のテーブルにやってくると、料理や飲物にスプーン、取り皿だと思われる小皿などを次々と並べてゆく。
と、その時、俺は1つの料理に思わず目が行ったのであった。
なぜなら、パエリアのような見た目の具沢山な米料理が、大きな木の皿に盛られていたからである。
俺はこれを見た瞬間、心の中でガッツポーズをした
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