Lv35 ラヴァナ・アーウェン商業区
[1/13]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
[T]
翌日、朝食を食べ終えた俺とラティは、ミロン君と共にウォーレンさんの屋敷を後にした。行き先は勿論、第1の階層・ラヴァナである。
ちなみにだが、ミロン君には馬車の御者として、ついて来てもらう事となった。
なぜこんな事になったのかと言うと、理由は単純だ。アーシャさんが朝食の席で、俺が馬に乗れない事をウォーレンさん達にバラしたからである。
まぁ要するに、それを聞いたウォーレンさんの計らいで、俺はミロン君を貸してもらう事になったというわけなのだ。ウォーレンさんの気遣いに感謝である。
話は変わるが、ウォーレンさんの屋敷を出る時、一波乱があった。
なんと、アーシャさんとサナちゃんが一緒に来ると言いだしたのである。が、しかし、流石にそれを受け入れる事は、俺には出来なかった。勿論、ウォーレンさんも非常に困った表情を浮かべていた。
その為、俺はレイスさんとシェーラさんに協力してもらい、2人に見つからないよう、こっそりと抜け出すような形で、ウォーレンさんの屋敷を後にしたのである。
とまぁそんなわけで今の俺は、心地よい日の光が降り注ぐ爽やかな朝だというのに、とてもそんな風には感じられない状態なのであった。
まったくもって困った2人である。もう少し、自分の置かれている立場というものを理解してほしいところだ。
つーわけで、話を戻そう。
アリシュナの南側区域を暫く進み、城塞門が小さく見えてきたところで、御者席からミロン君の声が聞こえてきた。
「コータローさん、アリシュナの南門が見えてきました。アリシュナ側からラヴァナに行く場合は必要ないかも知れませんが、一応念の為、通行証を用意しておいて下さい」
「了解」
俺は道具入れから、通行証を取り出した。
「それからラティさんも今の内に、姿を隠しといた方がいいと思いますよ。近づいてからだと怪しまれるかもしれませんので」
「せやな。ほな、今の内に隠れるとするか」
ラティはそう言って、大きな巾着袋に身を隠した。
ちなみにこの巾着袋だが、ウォーレンさんから借りた物で、ただの道具袋である。
まぁそれはさておき、ラティが袋の中に入ったところで、俺は巾着袋の紐を締める。
そして巾着袋を脇に寄せ、俺は何食わぬ表情で、魔導騎士団が屯する城塞南門へと向かったのであった。
程なくして城塞南門前にやって来た俺達は、そのままスピードを緩めずに門へと進んで行く。
周囲を見回したところ、門へ向かっているのは、どうやら俺達だけであった。それに加え、門番である騎士の姿も見当たらない。昨日の城塞東門もそうだったが、これを見る限りだと、門番は外のラヴァナ側にしか配置されてないという事なのだろう。
ふとそんな事を考えながら門を潜り抜けると、今の事を裏付けるかの
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ