Lv35 ラヴァナ・アーウェン商業区
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んでした」
「テメェが、この馬車の持ち主か。どうしてくれんだよ、この腕の傷! テメェがここに止めるから、こんな事になったんだよ」
戦士はそう言うと、俺にかすり傷を見せつけてきた。
ちなみにだが、傷は猫が引っ掻いた程度のモノであった。
こんなんで言いがかりつけんなよ……とは思ったが、仕方がないので、とりあえず治療する事にした。
「では治療しますね。ホイミ」
傷が完全に消えたところで、俺は戦士に言った。
「これで、許してもらえないでしょうか。なにぶん、王都は初めてのものなので、勝手がわからないのです。とりあえず、次からは気を付けますんで」
「なんだと、こんな事で許すと思ってんのか」
「……では、どうしたら許してもらえますか?」
「決まってんだろ、コレだ」
男はそう言ってOKのサインをした。
多分、金を出せと言ってるのだとは思うが、俺はあえて惚けておいた。
「コレってなんですか? 何のことを言ってるのか、さっぱり分かりません」
「金に決まってんだろ。迷惑料で1000Gだ」
もしかするとこいつ等は、駐禁に止めてある馬車を狙う、当たり屋なのかもしれない。
「お金ねぇ……。1つお訊きしますが、その1000Gという額は、何を根拠にだされたのでしょうか? 正直、意味が分からないのですが」
「何を根拠にだとッ! 俺が迷惑したと思う金額に決まってんだろ。ケンカ売ってんのか、テメェは!」
「じゃあ、俺が思う迷惑料は10Gですので、それで勘弁してくれませんかね。薬草代くらいにはなるでしょ。それに、ここは短い時間なら止めても問題ない筈。俺達の馬車はついさっき止めたばかりですから、こちらにもそれほど落ち度はあると思えないんですけどね」
ミロン君とラティも俺に続いた。
「そうですよ。僕達はついさっき止めたばかりなんです。そんな事を言われる筋合いないですよ」
「せやせや、ワイ等はここに来たばっかやで、このスカタン。デカい図体して、頭カラッポかいな」
(言い過ぎだ、ラティ……)
すると案の定であった。
スキンヘッド戦士はワナワナと身体を震わせ始め、腰に帯びた鋼の剣を鞘から抜き放ったのである。
「テ……テメェ等ッ!……殺されてぇのか。俺を舐めるなよ」
この戦士が剣を抜いた瞬間、周囲の仲間達も身構えた。
どうやら、俺達の対応如何によって、武力行使をするつもりのようだ。
俺はそこで、溜め息を吐いた。
「はぁ……次は脅迫ですか。どうやら、貴方がたは冒険者のような格好をしてますが、そうではないみたいですね」
(ああ、超うぜぇ……ラリホー2発かまして、とっととトンズラしよう。馬鹿にかまっている時間がもったいない)
などと考えていると、いつのまにか周囲に集まっていた野次馬達の中から、大きな声が発せられたのであった。
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