Lv35 ラヴァナ・アーウェン商業区
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い友人なのかもしれない。
などと考えていたその時であった。
【おい、糞ガキ! もう一度言ってみろ!】
店の外が、何やら騒々しくなり始めたのである。
老婆は玄関へと視線を向ける。
「ン、なんじゃ、店の前で喧嘩か? ったく、血の気の多い連中が最近多くなってきたのぉ」
(もしかして……この怒声は……)
俺は非常に嫌な予感がした為、とりあえず、この店を後にする事にした。
「では、私はこれで」
「うむ。お大事にの」――
[W]
店の外に出ると、俺達の馬車の周りを数名の輩が取り囲んでいた。
そいつ等の対応に追われるミロン君とラティの姿が目に飛び込んでくる。
ちなみにそいつ等は冒険者のようで、戦士系の男が2名に盗賊系の男が1名、そして魔法使い系の男女が2名といった構成であった。
見るからに素行の悪そうな者達で、特に戦士と思われる2人は、筋肉がムキムキの上に妙なタトゥーを腕に入れており、強面の奴等であった。なので威圧感も半端ない。
しかも、1人はデカい図体でスキンヘッドであった為、如何にも悪人といった雰囲気を醸し出しているのである。啖呵を切っているのもこの戦士であった。で、残りの奴等はというと、ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら腕を組み、それを眺めているのである。
とまぁそんなわけで、冒険者というよりも、ゴロツキと形容した方がいい奴等に、ミロン君達は絡まれているのであった。とんだ災難である。
(はぁ……また、面倒そうな奴等に絡まれたもんだ)
と、そこで、ラティの声が聞こえてきた。
「おい、禿げのオッサン。この兄ちゃんも今言ったけど、馬車にぶつかってきたんは、お前等の方やんけ。大体、止まってる馬車にぶつかる方がどうかしてるで。どこに目ぇつけとんねん」
「ああん、なんだとぉ! ここはなぁ、馬車を止めたらダメな決まりになってんだよ。そんな所に馬車止めた、テメェ等が悪いんだ。どうしてくれんだ、腕を擦りむいちまったじゃねェか!」
戦士はそう言って、右腕にある擦り傷を見せた。
つまりこの男の言い分は、駐車禁止の所に止めてある馬車にぶつかって腕を擦りむいたのだから、俺達が悪いということのようである。
まぁ確かに、路駐禁止区域に一時的にとはいえ停車してしまったので、こちらにも非があるのは認めねばならないだろう。
(仕方ない。穏便に済ませる為にも、ここは謝っておくか……俺も変な騒ぎになって目立ちたくはないし……)
というわけで、俺はとりあえず彼等に近寄り、まずは謝ることにした。
「あのぉ、ちょっといいですか?」
スキンヘッドの戦士は俺に振り向く。
「ああん、何だ、テメェは」
「この馬車の持ち主です。ここが、駐車禁止区域だとはつゆ知らず、止めてしまったのです。申し訳ありませ
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