Lv35 ラヴァナ・アーウェン商業区
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動き始めたのであった。
俺はホッと息を吐いた。
(ふぅ……。びっくりしたなぁ、もう……。脅かすなよ。こっちは今からシビアな事しなきゃならんのだから)
いきなり注目を浴びたのでドキッとしたが、多分、ドアベルの音がしたから反射的に俺を見ただけなのだろう。
まぁそれはさておき、店内の様相だが、広さは外見と同様、コンビニ程度といった感じだ。
ただ、コンビニほど明るい店内ではない。明かりは、天井から吊り下げられた簡素なシャンデリア1つのみで、おまけに窓も無い為、若干薄暗い様相をした店内であった。
周囲の壁に目を向けると、瓶詰めされた薬が並ぶ陳列棚が幾つも置かれており、奥の壁には精算する為のカウンターがあるのが確認できる。
それから店内の中央に視線を移すと、木製の丸テーブルが幾つか置かれており、そこには今、仲間達と談笑する冒険者達の姿があるのだ。
まぁ要するにこのグランマージは、四方の壁に商品を置き、中は憩いの場という感じの店であった。
店内をさっと流し見たところで、俺は奥にあるカウンターへと向かい歩を進める。
カウンターには、ドラクエYのバーバラのように、頭頂部で赤く長い髪を結った黒いローブ姿の若い女性店員が1人と、赤いとんがり帽子に赤いローブという、魔法オババを思わせる出で立ちの老婆が1人いた。
そんな見た目な所為か、凄く懐かしい感じがする者達であった。久しぶり! と声をかけてやりたい気分である。
ちなみにだが、老婆は今、カウンターの隅で頬肘をつきながら居眠りをしており、女性店員は色目を使う男の冒険者達と談笑しているところであった。
若い女性店員は中々に可愛い子なので、この店の看板娘的な存在なのかもしれない。恐らく、この女性店員に群がっている野郎共は、この子狙いの常連客なのだろう。
とまぁそんな事はさておき、俺が空いているカウンターの前に来たところで、若い女性店員は野郎共との談笑を中断し、こちらへとやって来た。
「お客様、いらっしゃいませぇ。何かお探し物でしょうか?」
(さて……それじゃあ、始めるかな……)
俺はヴァロムさんからの指示を実行する事にした。
「すいませんが、ここの店主である、マジェンタさんはおられますか?」
「マジェンタですか? ええ、おりますよ」
女性店員はそう言うと、カウンターの端で居眠りしている老婆に視線を向けた。
店員は老婆に呼びかける。
「おばあちゃん、お客さんよ」
「……」
しかし、老婆は目を閉じたまま、何の反応も示さない。
そこで女性店員は仕方ないとばかりに老婆へ近寄り、少し肩を揺すりながら告げたのである。
「おばあちゃん、起きて。お客さんよ」
老婆は目を覚ました。
「ンン?、なんじゃ、メリッサ。ふわわぁ〜」と、目をこすりながら、老婆は欠伸を
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