Lv35 ラヴァナ・アーウェン商業区
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がとうございました」
「にいちゃん、ありがとう。ごっつ助かったわ。さっきの凶暴な奴、聞く耳もたへんかったから、ワイ等も困っとったんや」
「ああ、気にしないでいいですよ。貴方がたは命の恩人ですからね」
ラティは意味が分からないのか、ポカーンとしていた。
「は? 命の恩人?」
「そういえば、ラティは初対面だな。昨日、オヴェール湿原で色々とあっただろ。この方はね、そこで俺が治療した冒険者の1人なんだよ」
「おお、そういえば、そんな事があったなぁ。なんや、そうやったんか」
「あの……お身体の方は、もう大丈夫ですか?」と、ミロン君。
「ああ。君達のお蔭で、大分回復したよ。この通りさ」
男はそう言うと、右肘を曲げて力こぶを作った。
中々の筋肉である。流石に戦士といったところだ。
ミロン君は安堵の表情を浮かべる。
「それは良かったです。安心しました」
俺も同じ気持ちである。
この人は結構出血が多かったので、少し心配だったのだ。
「おっと、そういえば自己紹介がまだでしたね。私はラッセルと言います。王都を拠点に活動している冒険者です」
俺も名乗っておいた。
「私はコータローと言います。一応、私も冒険者です」
「僕はミロンと言います。宮廷魔導師見習いです」
「ワイはラティや。よろしくな、ラッセルはん」
「ああ、よろしく。ところで、コータローさん。今、冒険者と仰いましたが、それは本当ですか?」
「ええ、そうですが……それが何か?」
するとラッセルさんは、そこで少し思案顔になったのである。
「昨日、コータローさんは魔導の手を使っておられたので、てっきり、有力貴族に仕えている魔導師の方だと思っていたのですが……違うんですか?」
考えてみれば、魔導の手はそういった事の判断材料になる装備品だ。
便利なアイテムだが、これは要注意である。
「はは、まさか。正真正銘の冒険者ですよ。ルイーダの酒場で登録もしてますしね」
俺はそこで、首に掛けたドッグタグをラッセルさんにチラっと見せた。
「冒険者登録証……本当なんですね」
「ええ。でもまぁ、私は流れ者みたいなもんですからね。ルイーダの酒場に登録してようがしてまいが、常に冒険者みたいなもんですよ。ははは」
「そうですか……。ところで、コータローさん達はこれからグランマージに?」
「いえ、それはもう終わりました。今さっき、グランマージで用事を済ませてきたところですから」
「それでは、もう帰られるのですか?」
「ええ。特別な用事もないですし、そうなりますかね」
するとラッセルさんは、大通りの先を指さしたのである。
「もしお時間があるのならですが、これからルイーダの酒場で食事なんてどうですか? もうそろそろ昼ですし」
「ルイーダの酒場ですか……」
確かに腹も
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