Lv34 宮廷魔導師ウォーレンの依頼
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誰にも言わないでほしい。かなり不安がらせる可能性が高いのでな。まぁとはいっても、バレるのは時間の問題だろうが……」
そこで俺達は互いに顔を見合わせた。
全員が頷いたところで俺は言った。
「わかりました。皆、口は堅いので安心してください」
「では話そう。実はここ最近、王都の東に広がるアウルガム湖で、そこに生息する魚介類や動物が居なくなるという奇妙な事が起きていてな、我々は頭を悩ませているんだよ」
「魚介類や動物が居なくなる……それはまた、妙な話ですね」
「全くだ。おまけになぜかわからないが、そのアウルガム湖から水を引いて栽培される作物の出来も悪くなってきている。それで湖の調査をしているんだが、未だに原因は不明なんだよ」
「それは確かに……不味い事態ですね」
作物の出来が悪くなっているという事は、将来的な食糧危機の問題は避けて通れない。
悩むのも無理はないだろう。
「ああ、非常に不味い。アウルガム湖は内陸に位置する王都とって、貴重な水産資源の宝庫だからな。しかもここ最近は、未知なる強力な魔物が王都近辺に現れ始めている。ヴァリアス将軍は、それによって、他の地域からの物流が断たれる事を危惧しておられるのだ。今の王都の食料備蓄は、もって精々1週間程度。今の状況が続くようだと、一気に死活問題になりかねんのだよ。だから早急に、この事態を何とかしないとならないのさ」
事情は分かったが、俺がその調査に加わる理由が分からんので、それを訊ねる事にした。
「ところで、俺の手を借りたいと仰りましたけど、具体的に何をするんですか?」
「それなんだが、明後日の早朝、俺と一緒にアウルガム湖の中心にある小さな島に来てもらいたいんだよ」
「小さな島? その島に何かあるんですか?」
「そこには古代の遺跡がある。……邪悪なる魔の神ミュトラを祭ってあると云われる古代の遺跡がな。これは俺の勘だが、今回の異変、そこで何かが起きている気がするんだよ」
邪悪なる魔の神ミュトラ……か。
またこの名前が出てきたが、今は置いておこう。
「そうですか……で、俺はそこで何をするんですか?」
「俺は以前、その古代遺跡に立ち入った事があるのだが、そこには古代リュビスト文字で、こんな言葉が刻まれていた。……浄界の門に訪れし者よ。4つの祭壇に異なる力を与え、聖なる鍵を然るべき場所に納めよ。さすれば汝の前に浄界への道が開かれる……とな」
「4つの祭壇に異なる力を与え、聖なる鍵を然るべき場所に納めよ……ですか」
「ああ。まぁ早い話が、それを明後日、実際にやってみようと思っているのさ」
「という事は、それらの謎が解けたのですね?」
ウォーレンさんは頭を振る。
「いや、解けてなどない。謎のままさ……だが、何もせずに指をくわえているわけにもいかんのでな。そういうわけで、こ
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