Lv34 宮廷魔導師ウォーレンの依頼
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とりあえず理由を訊く事にした。
「え、魔力圧かい? ……どうして知りたいの?」
「実はですね、道中のオヴェール湿原で、コータローさんが魔力分散させながら冒険者達を治療していたのを見て、驚いたんですよ。魔力分散ができる魔法使いは、第1級宮廷魔導師でもそれほど多くはないと言われてますので。ですから、あの時のコータローさんを見て、一体、どの位の魔力圧がある方なのだろうかと、ずっと気になっていたんです」
そう言えば、ヴァロムさんは以前、こんな事を言っていた。
魔力制御を行うには修練も必要だが、素質がないと難しい技能だと。
今まであまり気にしてこなかったが、ミロン君の口振りを考えると、ここでは特殊な技能なのかもしれない。これからは少し注意する必要がありそうだ。
まぁそれはさておき、今はミロン君の質問にどう答えるかである。
(さて、どうしたもんか……)
グレミオさんはこの間、俺の魔力圧は第1級宮廷魔導師の上位に匹敵する数値だと言っていたので、これを真正直に言っていいものかどうかが、悩むところであった。
なぜならば、俺はこれから静かに行動したい為、極力注目されるような事は避けたいからである。が、しかし……俺が答えを出す前に、予想外のところから声が上がったのであった。
なんとアーシャさんが自信満々で、ミロン君にそれを告げてしまったのだ。
「言っときますけど、コータローさんは凄いですわよ。最大魔力圧は200ベリアムを越えますもの。私の自慢の部下ですわ」
「に、200ベリアム! ほ、本当ですか!?」
「ええ、本当ですわ。ここにいる皆さんも、その場に立ち会いましたので、全員が証人ですわよ」
俺は右手で額を押さえ、溜息を吐いた。
(なんで言うかなぁ……はぁ)
程なくしてミロン君の驚く声が聞こえてくる。
「す、凄いです。まさか、そこまでの魔力圧を持つ方だったなんて。ウォーレン様ですら、190ベリアムだと言うのに……。200ベリアム越える魔法の使い手は、ディオン様やシャール様のような一部の方々だけだと思ってたので、今、物凄く驚いてます」
ディオン様とシャール様が何者かは知らないが、こうなった以上は仕方ない。
あまり言いふらさないように忠告しておこう。
「でも、あまり大きな声では言わないでくれよ。俺は注目されるのが苦手だからさ。なるべくなら、この事は黙っていてほしいんだ。静かに暮らしたいからね。いいかい?」
ミロン君は頷く。
「わかりました。でも、ウォーレン様には言ってもいいですよね?」
(まぁあまり隠すのも不自然に思われる。条件付きで認めるとするか)
「良いけど、今言った事をウォーレンさんに言っておいてくれよ」
「わかりました」
と、その時である。
ノック音と共に、扉の向こうから男の声が聞こえてきたのであ
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