Lv34 宮廷魔導師ウォーレンの依頼
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いソファーが4つ置かれている。ちなみにだが、俺達が腰掛けているのは、それらのソファーだ。
また、美しい花柄の壁紙が貼られた壁や天井に目を向ければ、幾つかの風景画や彫刻品などが飾られており、天井には美しい純白のシェードが被せられたシャンデリアが吊り下げられているのであった。
まさに、貴族の館といった感じのブルジョワな内装であった。
豪華さでいえばマルディラント城の客間の方が凄いが、これはこれで中々に優雅な部屋である。
俺がそんな風に室内を眺めていると、程なくしてラティの声が聞こえてきた。
「ワイ、貴族の屋敷ん中入るんは初めてやけど、やっぱ一味ちゃうなぁ。庭の手入れも行き届いてるし、ホンマ綺麗にしてるわ。ウォーレンの旦那は、流石に貴族やで」
「ああ。それに、さっきすれ違った使用人達も明るい表情してたから、屋敷全体が良い雰囲気だよ」
「せやな。皆、笑顔で迎えてくれたさかい、ワイも気分ええわ」
ラティはそう言ってニカッと笑った。
「俺もだ。ところでラティ、第1の階層について訊きたいんだけど、アーウェン商業区ってどの辺りかわかるか?」
「アーウェン商業区か? それはラヴァナの南側や。アレスティナ街道に通じる城塞南門があるところやから、ここからやと少し遠いで」
「遠いって、どのくらいだ?」
ラティは少し考える素振りをする。
「せやなぁ、ここからやと歩いて半日……ってのは冗談やけど、その半分くらいは掛かると思った方がええで。ま、行くんなら、ラヴァナの大通りを走る辻馬車にしとき。それなら歩きよりは早いからな」
「ふぅん、結構遠いんだな」
と、ここで、アーシャさんが訊いてくる。
「そこに何か用でもあるんですの?」
「用はないんですけど、一度行ってみたいなぁと思いまして。以前、とある方から王都の商業区は凄い賑やかだと聞いたので」
今言ったのは勿論嘘だ。
ヴァロムさんの次の指示が、その商業区のとある店に行けとなっているからである。
「へぇ、そうなのですか。私、賑やかなところは苦手なんですが、コータローさんとなら一緒に行ってみたいです」
「サナさん、コータローさんは私の配下の者です。ですから、その時は私も当然同行させてもらいますわよ」
「勿論です。公平にいきましょう。フフフ」
「ウフフフ」
そして2人はまた、固い笑顔で張りつめた空気を作り始めたのであった。
「あのねぇ……」
悩みの種が増えそうだから、この話はもう2人の前ではしないでおこう。
と、その時、扉がノックされ、向こうからミロン君の声が聞こえてきたのである。
「ミロンです。お飲物をお持ちいたしました。中に入ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、構わないよ」
「では失礼します」
扉が開かれ、向こうからミロン君と2人のメイドさんが、グラスや料
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