Lv34 宮廷魔導師ウォーレンの依頼
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って報告しなきゃならん事があるんでな。まぁそういうわけだ。だから、俺が帰るまで暫く寛いでいてくれ」
「そうですか。わかりました」
ここでウォーレンさんはミロン君に指示をする。
「それからミロン。ブレシア爺さんに、コータロー達の馬や馬車の世話をお願いしといてくれ。多分、今の時間帯なら裏の厩舎で休んでいる筈だ」
「はい、畏まりました」
「では頼んだぞ」
それを告げたところで、ウォーレンさん達はこの場を後にしたのであった。
[V]
屋敷内に入った俺達は、ミロン君に案内され赤い絨毯が敷かれた通路を進んで行く。
途中、メイドさんと思わしき若い女性と何回か擦れ違ったが、皆が明るい笑顔で丁寧に俺達に挨拶をしてきた。その所為か、冷たい石造りの建物ではあるが、屋敷内は暖かい雰囲気が漂っていたのである。
中々に居心地が良さそうな屋敷であった。これを見ただけでも、ウォーレンさんの人柄が分かるというものだ。
俺はそんな事を考えつつ、ミロン君の後を付いて行く。
すると程なくして、ミロン君はとある扉の前で立ち止まり、俺達に振り返ったのである。
「皆さん、こちらが客間になります」
どうやら到着のようだ。
ミロン君は扉を開き、俺達に中へ入るよう、丁寧な所作で促してきた。
「さ、どうぞ、中で旅の疲れを癒してください。それから、お飲物や軽食をすぐにご用意いたしますので、今暫くお待ち下さい」
「ありがとう、ミロン君。色々とすまないね。それでは、お言葉に甘えさせてもらうよ」
俺は礼を言って中へと入った。
他の皆も俺に続く。
とまぁそんなわけで、俺達は暫しの間、ここで旅の疲れを癒す事となったのである。
客間に入った俺は、中央にあるソファーに腰掛け、早速、身体を休めることにした。
続いて、アーシャさんとサナちゃんが俺の隣に腰を下ろしてくる。と、その直後、アーシャさんとサナちゃんは互いに顔を見合わせ、微笑み合ったのである。
しかし、その笑みはどこか固かった。おまけに、なぜかわからないが、微妙に緊張感が漂う空気も漂い始めていたのであった。
(はぁ……馬車でもこんな事があったけど、何なんだ一体……)
少し首を傾げる現象であったが、触れない方が良いと俺の中の何かが告げていた。
その為、俺は2人が放つ緊張感から逃げるよう、ソファーの背もたれに深く寄りかかり、大きく溜め息を吐いたのである。
(わけがわからん。とりあえず、部屋の中でも見て気を紛らわすか)
というわけで、俺は室内をグルリと見回した。
見た感じだと、30畳くらいはありそうな、そこそこ広い部屋であった。
床には全面にフカフカとした青い絨毯が敷かれており、その中心には、磨き抜かれたガラスのテーブルと、それを囲むように高級感あふれる赤
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