Lv33 王都オヴェリウス
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を北に向かって馬を走らせた。
するといつしか前方に、広大な湖と、白い山のようなモノが見えてくるようになったのである。それはまるで、雪化粧したかのような山であった。
(なんだあの白い山は……雪? なわけないか……。ラティならわかるかもしれない)
というわけで、俺は早速ラティに訊いてみた。
「なぁラティ、あの白い山はなんなんだ?」
すると予想外の言葉が返ってきたのである。
「は? 何言うてんねん。山やないで、あれが王都オヴェリウスやがな」
「マジかよ、あんなに馬鹿でかいのか?」
「そりゃそうや。この国最大の都やさかいな」
ラティの返答を聞いた俺は、自分の思っていた王都とのギャップがありすぎた為、ちょっと衝撃を受けてしまった。
実を言うと俺は今まで、王都はマルディラントを少し規模拡大した街程度にしか思っていなかったからだ。
まさか、ここまで馬鹿でかい城塞都市だとは、夢にも思わなかったのである。が、しかし……近づくにつれ、俺は更なる衝撃を受ける事になるのであった。
俺達の前方に厳かに鎮座する王都オヴェリウス……それは、丸い城塞を4層に渡って積み重ねた構造の都市であった。
全体像を何かに例えるならば、4段式の真っ白なウェディングケーキといった感じだろうか。
そして積み上げられた城塞の最上段には、全ての街並みを見下ろすかの如く聳える、西洋風の美しい純白の王城が建立されているのである。
そう……このオヴェリウスは、巨大な街全体が1つの建物のようにさえ見える、壮大な構造の都なのだ。
(すげぇ……世界遺産のモンサンミッシェルも街全体が建物のようだが、このオヴェリウスは規模が更にデカい上に城塞の威圧感が半端ない。まさかこんな都だったとは……グレートだぜ!)
「ここまでくれば、着いたようなもんやから、楽にしてええで」
「長かったですわ……」
アーシャさんはそう言って顔をほころばせた。
だがそんなアーシャさんとは対照的に、サナちゃんは少し寂しそうにボソリと呟いたのである。
「あの都が、私達の旅の終点なんですね……」
「ん、どうしたのサナちゃん。なんか元気ないね」
サナちゃんは俺に潤んだ目を向ける。
「コータローさん……コータローさん達は王都に着いたら、どうされるんですか? すぐに発ってしまわれるのですか?」
「俺達かい? アーシャさんはともかく、俺は暫くの間、王都に滞在する事になるだろうね。まぁ色々とやる事があるもんだからさ」
するとその直後、サナちゃんはパァと明るい表情になったのである。
「ほ、本当ですか。じゃあ、また私と会うことが出来るんですね」
「まぁ会うことは出来るだろうけど……」
「よかった。コータローさんは気の許せる方ですので、もっと色々とお話をしたいんです」
そしてサナちゃんは、
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