Lv33 王都オヴェリウス
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。それと、顔の周りを縁取るように青い鬣が生えていた事だな。まぁとりあえず、そんな感じの魔物だ。はっきり言って、かなり強い魔物だった。我々も追い払う事しかできなかったからな」
「青い鬣生やしたサーベルウルフですか……」
サーベルウルフは確か、ドラクエUで出てきた魔物だ。
俺の記憶だと、サーベルタイガーの様な外見の魔物だった気がする。
この世界では遭遇した事はないが、そこから推察すると、この人は多分、ライオンヘッドの事を言っているのかもしれない。
とはいえ、確証のある話ではないので、今はとりあえず候補の1つとしておこう。
俺は他の1体についても訊ねた。
「もう1体はどんな魔物でしたか?」
「残りの1体は、首の所に羽のようなモノがある大きな紫色の蛇だったな。まぁこれはもうそのままだ」
「そうですか」
(首の所に羽の生えた紫色の蛇か……なんだろう。ドラゴンかなんかだろうか……わからん。どんな魔物だ一体……)
ふとそんな事を考えていると、中年の魔導師はそこで自己紹介をしてきた。
「そういえば名前を聞いてなかったな。これも何かの縁だ、名乗っておこう。俺の名は、ウォーレン・シュトナルデ・サンドワールという。まぁ見ての通り、王宮の魔導師ってやつだ」
俺も簡単に自己紹介をしておいた。
「私の名前はコータローと言います。まぁ見ての通り、旅人ってやつです」
「コータローだな。よし、覚えたぜ」
続いてウォーレンさんは、後ろにいる眼鏡を掛けたひ弱そうな少年を指さした。
「それと、こっちが弟子のミロンだ。お前も挨拶しろ」
少年は慌てて俺に頭を下げ、若干ドモリながら自己紹介をしてきた。
「は、初めまして、コータローさん。わ、私は、ミロンと言います」
「よろしくな、ミロン君」
俺はミロン君に微笑んだ。
「こいつは友人から預かった子なんだが、中々の素質がありそうな奴でな。2年ほど前から、俺が面倒を見てるんだよ。っとそうだ、こんな事してる場合じゃないな」
何かを思い出したのか、ウォーレンさんはそこで、兵士達に向かって指示を出した。
「おい、誰でも構わないから、彼等の馬車に、亡くなった冒険者の遺体を乗せてやってくれないか。このままにしておくのは忍びないんでな」
「は、畏まりました、ウォーレン様」
何人かの兵士が返事をし、遺体の運搬に向かう。
それからウォーレンさんは俺に振り向き、申し訳なさそうにお願いをしてきたのである。
「コータロー、すまいないが、あと少しだけ手を貸してくれないか? 出血の多かった冒険者達は安静にしておかなければならないから、魔導の手を使って、静かに彼等の馬車へ乗せて欲しいんだ。頼めるだろうか?」
乗りかかった船だ。仕方がない。
「いいですよ。手伝いましょう」
「すまんな。では始めよう」
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