Lv33 王都オヴェリウス
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らに振り向いた。
その際、この兵士が着る鎧の胸元に、王家の紋章が刻み込まれているのがチラリと見えた。
もしかすると、ここにいる者達はイシュマリア城の兵士なのかもしれない。
まぁそれはさておき、オッサン兵士は言う。
「ああ、魔物に手酷くやられた冒険者の一団が前にいるんだよ」
「魔物にやられた冒険者の一団ですか……」
「先程、我々が蹴散らしたから、魔物はもういないがな。今は宮廷魔導師であるウォーレン様が、冒険者達の治療に当たっているところだ」
(ウォーレン様?)
よくわからんが、今は置いとこう。
「へぇ、なるほど。で、冒険者の方達はどんな感じなんですか?」
「……あの様子だと、何人かは、もう助からないだろう。手足を引き千切られている者や、内臓を食われている者もいるようだしな」
「ウッ……それは、また気の毒な」
「可哀想だが、あそこまで酷いと、幾ら回復魔法が得意なウォーレン様とはいえ、手の施しようがないに違いない」
オッサン兵士は悲しげな表情でそう告げると、少し肩を落としたのであった。
(手足を引き千切られて、内臓を食われているだって……うわぁ……ほんとかよ。可哀想に……)
スプラッター系が苦手な俺は、今の話を聞き、身の毛がよだつ気分になった。
「コータローさん、とりあえず、どんな状況なのかだけでも見ておこう」
「ですね。いつ頃出発できるかわかりませんし」
本当は見たくなかったが、いつまでも足止めをくうわけにはいかない。
その為、俺は渋々、治療現場を見る事にしたのである。
俺とレイスさんは人だかりの端へ移動し、前方の街道に視線を向けた。
すると、10mくらい離れた所に2台の馬車があり、その付近で倒れている十数名の冒険者と、そこで治療に当たる2人の男の姿が、視界に入ってきたのである。
冒険者達の構成は、魔法使い系の男女が4名に戦士系の男女が6名、それから軽装備をした盗賊系の女性が2名の、計12名の者達であった。歳は20代から30代で、そこそこ旅慣れた雰囲気が漂う冒険者達である。
それと、治療にあたる魔導師だが、1人は口と顎に髭を蓄えた長い黒髪の男であった。歳は40代くらいで、全体的な印象としては、ワイルドな雰囲気を漂わせた魔法使いといった感じだ。
もう片方は、痩せ型で眼鏡を掛けた金髪の少年であった。ボブカット気味の髪型をしており、年の頃は10代前半といったところである。頬の辺りに少しソバカスがあるのが特徴で、結構、大人しそうな感じの子であった。
それから2人共、白いローブに杖という出で立ちをしており、その身に纏うローブの胸元には、光と剣をあしらった王家の紋章が描かれていた。つまり、王宮に仕える宮廷魔導師なのだろう。
この2人のどちらかが、兵士の言っていたウォーレンという宮廷魔導師に
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