Lv33 王都オヴェリウス
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たと思うけど、商人はあそこからアレスティナ街道へ迂回するんやわ。遠回りになるけどな。せやから、ここ通るんは、ワイ等ドラキー便に冒険者、それと巡礼者くらいやで」
「へぇ、そうなのか。まぁ天候に左右される道じゃ、物資の輸送は難しいわな」
よくよく考えてみれば、俺達は裏道に近いルートを進んでいるのだから、それが当然なのかもしれない。
多分、ソレス殿下達は、向こうのアレスティナ街道を通ったのだろう。
「そういうこっちゃ。それにオヴェール湿原の辺りは、向こうと比べると路面の状態も悪いさかい、物流には向かんしな」
「まぁ確かに、道はガタガタだな……馬車に乗ってるとよくわかるよ」
俺はそこで街道に目を向けた。
すると、延々と続く凸凹とした轍が、否応なく視界に入ってくるのである。
(この分だと、まだまだ振動に悩まされ続ける事になりそうだな。はぁ……ン?)
と、その時である。
「何だありゃ?」
100mほど先の街道に、十数名の人だかりと、幾つかの馬車や馬の姿が見えてきたのであった。
ちなみに、そこにいる者達は殆どが茶色い鎧を着ており、今は前方にある何かを見ているところであった。
(あの鎧の統一具合……もしかすると、前にいるのはどっかの兵士かもしれないな。何かあったのだろうか?)
ふとそんな事を考えていると、レイスさんの声が聞こえてきた。
「コータローさん、前方で何かあったみたいだ。どうする?」
「アレじゃ進めないので、手前辺りで一旦止まりましょう。俺が行って様子を見てきます」
「了解した」
そんなわけで、俺達は予想外の所で足止めを食う事になったのである。
馬車が止まったところで、俺は皆に言った。
「ちょっと向こうの様子を見てくるんで、皆はここで待っててください」
「気を付けてくださいね、コータローさん」
「わかりましわ。何かあったらすぐに知らせてください」
「ええ、勿論です」
と、ここで、ラティが訊いてきた。
「コータロー、ワイはどうする?」
「好きにすればいいぞ」
「ほな、ワイはここで休んでるわ。直射日光の下やと、微妙に疲れるんや。なんかあったら呼んでや」
「ああ、そうするよ。じゃあ、行ってきます」
俺はそう言って馬車から降りる。
するとそこで、レイスさんも御者席から降りてきたのである。
「コータローさん、私も行こう。シェーラ、とりあえず、この場を頼む」
「わかったわ」
「じゃ、行きましょうか、レイスさん」
「ああ」――
茶色い鎧を着た兵士達の所にやって来た俺達は、何があったのかを知る為、とりあえず、近くの兵士に訊いてみる事にした。
俺は一番手前にいる、槍を持った髭面のオッサン兵士に声を掛ける。
「あのぉ、何かあったんですか?」
「ン?」
オッサン兵士はこち
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