Lv33 王都オヴェリウス
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か?」
ウォーレンさんは首を縦に振る。
「ああ、難しいと言わざるを得ないな。今のオヴェリウスは、イシュマリア王が認めた通行証がない限り、貴族が住まうアリシュナから上へは出入りできない状態だ。しかも、その更に上のヴァルハイムに行くには、イシュラナの神官達の頂点に立つ、教皇アズライル猊下が認めた通行証も必要になってくる。だから、今言ったような事をそのまま門にいる騎士に話したところで、まず信じてはくれまい。いや、それどころか、下手すると、不審者として連行される可能性の方が高いくらいだ。残念だが、今のオヴェリウスは、そこまでの厳戒態勢を敷いているんだよ」
「そうであるか……。まさかそこまでの厳戒態勢とはな……」
レイスさんは少し肩を落とした。
(これはかなり厳しいかもしれない……どうしよう……)
俺は当事者の2人に訊いてみた。
「そんな状況らしいですけど、どうします、2人共?」
「非常に困りましたわ。私もお父様の元に向かえと兄から言われておりますので」
「私も困ります」
思った通りの反応だ。
さて、どうするか……。とりあえず、他に方法がないかだけでも訊いてみるとしよう。
「あのぉ、ウォーレンさん。何か他に手はないんでしょうか? 俺もアーシャ様達を無事に送り届けるように言われたので、そこに案内できないとなると、ちょっと困るんです」
ウォーレンさんは顎に手を当て、何かを考える仕草をする。
「ふむ。まぁない事もないが……」
「本当ですか?」
「ああ。だが、今すぐには無理だ。それをするには、少し時間がいるからな……。ところで、今日の宿はどうするつもりなんだ?」
「え、宿ですか? まぁこうなった以上、その辺の宿でも探すしかないでしょうね」
「そうか。もしなんなら、俺の所にでも来るか? いや……俺が考える方法でヴァルハイムに行くつもりなら、これを機にアリシュナへ来た方がいい。その方が後の段取りもやりやすいからな」
「え? でも俺達は通行証なんてないですから、アリシュナとやらに入れないのでは?」
するとウォーレンさんは不敵な笑みを浮かべたのであった。
「なぁに、心配するな。俺と共に門を抜ければ大丈夫だ。こう見えて俺は、結構信頼されている宮廷魔導師の1人なんでな。それに、門を警護する魔導騎士も俺の顔をよく知っているから、深くは詮索せん筈だ。で、どうする? できれば今決めてもらいたいのだが」
これはチャンスかもしれない。
だが、初対面の俺達にここまでしてくれるのが、少し引っ掛かるところではあった。
まぁ2人は大貴族の縁者なので、そこを期待しての事かもしれないが。
(さて、どうすべきか……)
俺はともかく、アーシャさんとサナちゃんは流石にこのままにしておくわけにはいかない。
その為、俺はとりあえず、2人の意見
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