Lv33 王都オヴェリウス
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あえず、アーシャさん達の事情を説明する事にした。
「それなんですけど、あまり大きな声では言えないのですが、ここにいる2人の女性はそれら所縁の方々なのです。もう少し詳しく言いますと、こちらの方はマルディラントの太守、ソレス殿下のご息女で、こちらの方は、旧ラミナス国要人のご息女になります」
「な、なんだって……」
ウォーレンさんはアーシャさんとサナちゃんに驚きの眼差しを向けた。
ここでアーシャさんとサナちゃんが話に入ってきた。
「ご挨拶が遅れました。私はアーシャ・バナムン・アレサンドラと申しまして、マルディラント太守、ソレス・マウリーシャ・アレサンドラが長女であります」
「私はイメリアと申します。こちらに駐在する旧ラミナス国公使、フェルミーア・オセルス・サナルヴァンド閣下は、血縁上、私の叔母になります」
「なんと……」
ウォーレンさんは2人の自己紹介を聞き、かなり驚いていた。が、しかし……程なくしてウォーレンさんは難しい表情になり、残念そうにこう告げたのであった。
「そうだったのですか。ですが……それが本当だとしても、今のオヴェリウスではそう簡単にヴァルハイムへは行けぬでしょうな。いや、それどころか、御2人には申し訳ないが、今のオヴェリウスでは、その下にある第2の階層・アリシュナにすら入れない可能性が高いのです」
どうやら、色々と難しい事情があるようだ。
もしかすると、ヴァロムさんの事が関係してるのかもしれない。
俺は訊いてみる事にした。
「今のオヴェリウスでは、と言いましたが、最近、何か事情が変わったのですか?」
「コータローも知っていると思うが、オルドラン家のヴァロム様の一件があってからというもの、オヴェリウスはずっと厳戒態勢を敷いているんだ」
どうやら俺が思っている以上に、ヴァロムさんの件はややこしい事になっているのかもしれない。
「厳戒態勢……ですか。俺も道中、噂で聞きましたが、それほどまでに警戒しているのですか?」
「ああ……地下牢に幽閉されたヴァロム様は、イシュマリア全土にその名を轟かせた稀代の宮廷魔導師であると共に、その祖先は大賢者アムクリストの弟子の1人だ。しかも、今は隠居されたとはいえ、ヴァロム様自身が、その遺志を継ぐ正統なる元継承者でもあった。それ故、国内外の影響力も一際大きい事から、この国の重鎮達は混乱を避ける為に、魔導騎士団を動員して警戒に当たらせているのさ」
俺はウォーレンさんの話を聞き、思わず溜め息をこぼした。
「はぁ……まさかそんな事になっているんなんて」
と、ここで、レイスさんが話に入ってきた。
「挨拶が遅れましたが、私はイメリア様の護衛を任されたレイスと申す者です。貴殿に1つお訊きしたいのだが、イメリア様の身分を示す物を騎士に見せたとしても、門を潜るのは難しいのであろう
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