Lv32 ラティと共に去りぬ
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か」
これで納得である。
原理はわからないが、多分、呪いを施した時点で使用者の魔力に紐づけられるのだろう。
さて、色々とわかった事だし、もうそろそろこれを仕舞うとしよう。
【フォカール】
俺は呪文を唱え、杖を空間の中に放り込んだ。これで一安心である。
危険物の処理も無事終わったので、俺はガテアの広場に戻ることにした。
「さて、帰るかな」
と、そこで、ラーのオッサンが呼び止めたのである。
「待て、コータロー。我からも少し質問させてくれ」
オッサンが俺に質問するというのが少々意外だったが、まぁ減るものでもないので聞く事にした。
「いいよ、何?」
「奴が正体を現した時、あの魔物の種族名を言っていたが、お主、あの魔物の事を知っているのか?」
「……ああ、一応な」
「それは道中に話していた、魔物や魔法について記述された書物とやらに書かれていたのか?」
「ああ、そうだけど。それがどうかしたのか?」
「まさか……あの魔物について書かれた書物があろうとは……信じられん。その辺の魔物ならともかく、あのような魔物の事まで……」
「は? どういう事?」
何かを考えているのか、オッサンは暫しの沈黙の後、静かに話し始めた。
「……あの魔物はな、ただの魔物ではない。奴自身も言っていたが、魔の世界でも、恐ろしく濃い瘴気で満たされた奥底に住まう、いわば支配階層の魔物だ」
「支配階層の魔物……」
まぁ確かにバルログは、ドラクエではラスト辺りで出てきた魔物だが、支配階層なのだろうか……。
何か少し違う気がするが、今はオッサンの話に耳を傾けるとしよう。
オッサンは続ける。
「我は5000年前に神殿に封印されたが、その当時もそれ以前も、我はあの魔物の事を知っている知的種族に出会った事などは無い。いや、恐らく、この地上にいる精霊達でも、知っているのは極僅かだろう。故に、我は驚いているのだ。その様な書物があった事にな」
う〜む……要するに、俺はまた余計な事を言ったという事なのだろう。
ゲームのドラクエとは勝手の違う世界なので、細部での認識のズレがあるようだ。
とりあえず、下手に取り繕うと面倒な事になりそうなので、適当に流しておく事にした。
「でもなぁ、その書物には、そう記述されていたんだよ。だから、俺もそうとしか言えないんだよなぁ」
「そうか……まぁよい。今は置いておくとしよう。ではもう1つ……お主はあの魔物について、どう思ったか? それを訊かせてくれぬか」
「どう思ったか……って、どういう意味だ?」
「何か気づいた事はなかったのか、という事だ」
「ああ、そういう事か。そうだな……2つばかり気になる事があったよ。まず1つは、あの黒い水晶球を使った時、ザルマは変身に結構時間が掛かってたが、今回はあっという間だった
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