Lv32 ラティと共に去りぬ
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いる女性騎士と同じ格好をしているところを見ると、どうやらこの女性も近衛騎士のようだ。
と、その時である。
「ル、ルッシラ隊長ッ! これは一体ッ!」
入口の異変に気付いたのか、その女性騎士は慌ててこちらへと駆けてきたのである。
女性騎士は倒れている騎士の1人に跪き、名前を呼びかけながら身体を揺すった。
「ルッシラ隊長! ルッシラ隊長!」
暫くすると、眠たそうな声が聞こえてくる。
「う……むぅ……ンン……イリサか……どうしたのだ? 朝か……」
「た、隊長。よかった」
「ン、よかった? ……何を言っている」
ルッシラと呼ばれた女性は、そこでムクリと半身を起こすと、周囲に目を向ける。
すると次の瞬間、その女性騎士は目を見開いて驚くと共に、大きな声を上げたのであった。
「……ハッ、これは一体ッ!? そ、そうだ! イリサ、あのローブ姿の者はどこだッ! フィオナ様はご無事かッ!」
「いえ、それが、私も今来たばかりでして、まだ確認をしてはおりません」
「馬鹿者ッ! それでも貴様は近衛騎士かッ! 私ではなく、まずはフィオナ様の安全が先だッ!」
「は、はい、申し訳ありません」
「謝罪はいい! 行くぞッ」
「ハッ」
そして2人の女性騎士は、建物の中へと足早に入って行ったのである。
今のやり取りを見た俺とラティは、そこで互いに顔を見合わせた。
「近衛騎士のようやし、ワイ等は帰った方が良さそうやな。これ以上ここにいると厄介な事になりそうやわ」
「だな。そろそろお暇させて貰おう。だが、その前に……アレをどうにかしないとな」
俺は外壁の奥にある小窓の下に目を向けた。
「ン、あそこになんかあるんか?」
「ああ。さっき戦った魔物が持っていた荷物がな……。ちょっと気になるから、今の内に回収しておくよ」
放っておけばいいのかもしれないが、ラーのオッサンが言っていた内容が気掛かりであった。
あれが本当ならば、ここに置いておくと、災いの元になるのは間違いないからだ。
「なら、はよした方がええで。さっきのねぇちゃん達が息巻いて、建物の外に来そうやさかい」
「ああ、わかってるよ」――
[U]
コータロー達がこの場から立ち去った後、フィオナは自分が素っ裸であった事を思い出した。
そして、今までコータローに、その姿を見られていたという事から、羞恥の感情も沸き起こってきたのである。
フィオナは顔を真っ赤にしながら、何か着る物はないかと周囲をキョロキョロと見回した。
しかし、ここは沐浴する泉である。そんな物は当然どこにもない。
その為、フィオナは衣服を脱いだ隣の部屋に行こうと考え、そこへ移動する事にした。
だがその時……丁度そこで、泉に浮かぶバルログの亡骸が、フィオナの視界に入ってき
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