Lv32 ラティと共に去りぬ
[11/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
という事。それと2つ目は、変身した奴は、早く戦いを終わらせようと急いでいた事だな。そこが少し引っ掛かったよ」
そう、それが少し気になっていた。
2つ目は、何となくその理由が分かるが、1つ目は少し頭を捻りたくなる現象だったのである。
「目ざといお主の事だから、やはり、それに気付いていたか」
「理由はなんだと思う?」
「これは推測だが、ザルマとかいう者と、あの魔物では、成り立ちがそもそも違うからなのかもしれぬ」
「成り立ち……ザルマは元々ラミリアンで、あの魔物はアレが本来の姿って事か?」
「うむ。つまり、ザルマとあの魔物では変身する意味合いが全く違うのだろう。そして、それらの差異が時間となって現れたと考えると、しっくりくるのだ」
「なるほど、それは大いにあり得る話だな」
確かに、別のモノに変化するのと、本来の姿に戻るのでは、後者の方が明らかに楽そうだ。時間的に早くなっても不思議じゃない。
となると2つ目は、本来の姿に戻った事による弊害なのだろう。
「もしかすると、奴が戦いを早く終わらせたかったのは、本来の力を維持できる時間が限られていたという事か」
「うむ、恐らくそうであろう。水晶球に封じられた魔の瘴気によって、一時的に本来の姿に戻ったと考えれば、必然的にそうなる」
「という事は、ザルマと共に現れたあの魔物達も同じ理屈なのかもな。まぁあいつ等はそれに加えて、変化の杖も使っていたようだが」
「ああ、恐らくな」
これらはあくまでも仮説だが、かなり信憑性のある話である。
今後も同じような事がありそうなので、これはよく覚えておいた方が良さそうだ。
まぁそれはそうと、事のついでだから、王都に着いてからの事もラーのオッサンに訊いておくとしよう。
「ところで話は変わるけどさ。明日はオヴェリウスに到着する予定だけど、その後はどうするんだ? やっぱ、まだ言えないか?」
「ふむ……着いてから話そうかとも思ったが、今の状況を考えるに、お主とはそうそう話が出来そうもない。今の内に話しておいた方が良いかもしれんな」
「ああ、頼むよ。俺もその都度、皆の目を盗むのは疲れるからさ。それに王都に入ると、余計に人目を気にしないといけないから、話し辛くなる可能性が大だしね」
「うむ。お主の言う事も一理ある。では話すとしよう……」――
[X]
ラーのオッサンと話し合いを終えたところで、俺はガテアの広場へと向かった。
そして、広場に戻った俺は、皆の所へ行き、まずは遅くなった事を謝ったのである。
「遅くなって、すいません。今後の事を色々と考えていたら、ついつい没頭してしまったんです」
アーシャさんとサナちゃんはそこで、ホッと安堵の表情を浮かべた。
「あまりに遅かったので心配しましたわ」
「私も心配してたんです
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ