Lv32 ラティと共に去りぬ
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」
「ちょっと待ってくださいッ。まだ話が」
まぁ確かにこのまま去るのもアレだ。最後に、助言くらいはしておくか。
ついでに、もう一度、この子の身体を拝ませてもらうとしよう。こんな綺麗な子の裸なんて、中々見れないだろうし……。
というわけで、俺は女性に振り返って人差し指を立てると、そこで、とある忠告をしたのである。
「あ、そうだ。1つ言っておく事があります」
「え? 言っておく事……。なんですか一体?」
「この建物の外にいる3名の騎士と、この隣にいる2名の女性神官以外は、気を許さない方が良いですよ。誰が敵かわからないですからね」
「ど、どういう意味ですか?」
俺はそこで、泉に浮かぶバルログの亡骸を指さした。
「今は説明してる時間がありませんが、簡単に言うと、その魔物が1体でここに来たという事が理由です」
「魔物が1体でここに来たという事……それはどういう……」
女性は恐る恐るバルログに目を向けた。
俺は構わず続ける。
「ああ、そうだ。これも言っておきましょう。俺達の事は、あまり詮索しないでください。それがお互いの為です。じゃあ、そういうわけで」
「え? ちょっと待ってくださいッ、コータロー様! 今のはどういう……」
(……ごめん、待てません。コータローはクールに去るぜ)
そして俺は、呼び止める女性を振り切り、この部屋を後にしたのであった。
建物の外へ勢いよく出た俺は、急いで周囲を見回す。
すると、ピュレナ神殿がある方角に、松明の物と思われる揺らめく光が、小さく見えたのである。
「アレや。どないする? ここで待つか?」
「いや、ここは流石に不味い。とりあえず、この建物の脇に回って、少し様子を見よう。そこなら月明かりが当たらないから、向こうもそう簡単に気付かない筈だ」
「ほな、はよ、隠れよ。もうすぐ来るで」
「ああ」
そうと決まったところで、俺とラティはすぐさま建物の脇へと移動する。
それから俺達は、建物の外壁を背に、息を潜め、暫し様子を窺う事にしたのである。
ラティが小声で訊いてくる。
「なぁ、コータロー……あの光、ゆっくりとコッチに来るけど、なんやと思う? 魔物かな?」
「さぁな。でもゆっくりしてるのは、多分、歩いているからだろ。まぁとにかくだ。今はアレが来るまで待とう。倒れている3人の騎士に対する反応を見れば、敵かどうかすぐに分かる」
「ああ、なるほど。ここに隠れたんは、そういう事やったんか。こんな時やのに、コータローは冷静やなぁ」
「まぁ理由はそれだけじゃないけどな。さて、お喋りはここまでにしておこう」
「了解」
それから2分程息を潜めたところで、ようやく光の正体が明らかになった。
現れたのは、松明を片手に、煌びやかな箱を脇に抱えた女性騎士であった。
倒れて
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