Lv31 魔の世界よりの使者
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めているだけであった。
無理もない。俺も逆の立場なら、こうなっていただろう。
色々と説明をしないといけないのかもしれないが、まだ戦いは終わっていない。
その為、俺はローブ姿の男を注視しながら、追加のメラミを放つ為の魔力制御をすぐに始めたのである。
俺は魔力制御を行ないつつ、部屋の片隅に転がる紫色の水晶が付いた杖に目を向けた。
(奴が動き出す前に、アレを何とかした方が良さそうだ。このままにしておくと、絶対に面倒な事になる……)
そう考えた俺は、急いで杖の所へ移動する。
そして杖を手に取り、周囲の壁にある小窓の外に杖を放り投げたのであった。
すると、それと入れ替わるかのように、床に蹲るローブ姿の男がユラリと立ち上がったのである。
(ホッ……いいタイミングで危険物を処理できたようだ。グッジョブ、俺)
立ち上がったローブ姿の男は、フードで覆い隠した顔を俺に向け、静かに話し始めた。
【貴様、ただの魔法使いではないな……一体、何者だ。どうして此処に、貴様のような輩がいる】
「俺か? 俺は、ただのコック……じゃなかった。ただの通りすがりの魔法使いさ」
【通りすがりの魔法使いだと……フン、まぁいい。貴様が誰であろうと、その辺の魔法使いではない事に変わりはない。それならば、こちらにも考えがある】
男はそう言って、懐から煙のようなモノが渦巻く、黒い水晶球を取り出した。
だが俺はその水晶球を見た瞬間、思わず目を見開いたのである。
(あ、あの黒い水晶球……以前どこかで……あ! ま、まさか……)
俺は驚愕した。
なぜならその水晶球は、以前遭遇したザルマというラミリアンの男が持っていた物とそっくりだったからだ。
俺の脳裏に、あの時の最悪な記憶が蘇ってくる。
【油断したよ……。まさかこれを使う事になるとはな。できれば使わずに事を済ませたかったが、貴様のような奴には、こちらも本来の力を出さねばなるまい……ムン!】
と、その直後、ザルマの時と同様、男の周りを黒い霧が覆い始めたのである。
恐らく、魔物に変身するのだろう。
とはいえ、ザルマの時は変身するのに結構時間が掛かっていた。それを考えると、今の内にメラミをお見舞いしたほうがいいのかもしれない。
(やるなら今か……って、え?)
などと考えていた、その時である。
なんと、予想よりも早く黒い霧が消え去り、男が纏っていた黒いローブが宙を舞ったのであった。
男は真の姿を晒けだした。
「なッ!?」
「そ、その姿は魔物ッ!? なぜ、魔物がこんな所にッ!」
女性も目を見開き、困惑の表情を浮かべていた。
だがしかし……俺は魔物に変身した事も然る事ながら、その姿に驚いたのである。
俺が以前プレイしたドラクエで、見た事がある魔物だったからだ。
黄
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