Lv31 魔の世界よりの使者
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全員が中に入ったら、少し時間をおいてワイ等も行こっか」
「ああ」
俺達は息を潜め、全員が中に入るのをジッと待つ。
だがしかし……ここで予想外の事が起きたのである。
なんと一行は、入口の前で立ち止まって言葉を幾つか交わした後、その中の1人だけが中へと入って行ったのだ。
そして、残った者達はというと、門番のように入口の両脇に立ち、警備についたのであった。
この予想外の展開に、俺は思わず舌打ちをした。
「チッ、警備付きかよ」
「そうみたいやな……でも、ワイがいつも見てるときは、こないな事ないんやけどな」
「なら、多分、王族なんじゃないか」
「かもしれんなぁ。王族かぁ……。王族でも、こないな所にある泉に入りに来んねや……。それは考えへんかったわ」
ラティはそう言って、残念そうに項垂れた。
俺も項垂れる。
「でも王族じゃ、覗きはちょっと厳しいな。下手すると、命に関わる。はぁ……諦めるか……」
せっかく苦労してここまで来たのに、これは少し残念な決断だが、俺も命の危険を冒してまで煩悩に身を任せるつもりはないので、諦めるしかないのである。はぁ……無念だ。
「なんやったら、今入った王族が出るまで少し粘ってみるか? その後に神官が来るかもしれへんで」
「粘るっつってもなぁ。アーシャさん達も、あまり遅いと心配するだろうからな」
「せやな……。しゃあない、諦めて戻るか」
「ああ、残念だけどな……ン?」
と、その時である。
一行がやってきた方向から、また新たな人影が1つ現れたのである。
ちなみにそれは、フードを深く被った黒いローブ姿の者であった。
「また誰か来たみたいだな」
「どうせまた、王族の護衛かなんかやろ。帰ろ、コータロー」
「そうだな、帰るか……って、ちょっと待て……なんか様子がおかしい」
そう……様子が変なのである。
なぜなら、その黒いローブ姿の者が建物の前で立ち止まったところで、入口の両脇に立つ3名の者達は、武器を抜いて詰め寄ったからだ。3名の者達は明らかに、不審者への対応をとっているのである。
「ホンマやな……なんかヤバそうな雰囲気やん」
「ああ」
建物の前は慌ただしい様相となっていた。
俺達は固唾を飲んで、その成り行きを見守った。
両者は険悪な雰囲気のまま暫し対峙する。3名の騎士達は今にも斬りかかりそうな感じであった。
そんな中、先に動いたのは、意外にもローブ姿の者であった。ローブ姿の者は、杖のような物を取り出し、3名の者達に向けたのである。
「今来た奴、杖みたいなの取り出したな。ありゃ戦うつもりやで。3人の近衛騎士相手にようやるわ。1人で勝てるつもりかいな」
「ああ、まったくだ……ン」
だが次の瞬間、俺達は異様な光景を目撃する事となったのである。
なんと、ロ
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